1974年、南アフリカ共和国ヨハネスブルグ生まれ。19歳の時にオーストラリアで最年少ラフティングインストラクターとなり、以来世界17ヶ国で40以上の激流を下る。1999年に日本代表チームを結成し、競技ラフティングで世界に挑戦するも最下位と言う苦渋を飲まされる。その経験からリーダーシップ、チームビルディング、日本人が持つ強みを徹底的に研究し、独自の理論を創り上げる。2010年のラフティング世界大会・オランダにて総合優勝を成し遂げ、日本が50年はかかるといわれた競技ラフティングの世界を10年間で世界一に引き上げた。2011年10月にコスタリカで開催された世界大会でも総合優勝を果たし、見事、世界2連覇を達成した。
浅野重人 からの動画メッセージ
浅野重人さんからのメッセージ
世界の頂点へ! 日本人の力の引き出し方
世界への挑戦とパイオニア精神~失敗と挫折を超えて~
私は19歳のときにラフティングに出会い、その世界に魅了されて1999年に日本初のラフティングプロチームを結成しました。ラフティングはゴムボートに6人(または4人)で乗り込み、激流を下って順位を競うスポーツです。日本ではまだ歴史が浅く、“観光地で体験できるアウトドア”というイメージをお持ちの方も多いでしょう。東欧では歴史が古く、ビジネスマンが出勤・帰宅前に川でひと漕ぎするなど、フィットネス感覚で楽しむ国もあります。その歴史や文化の差から、当初、「日本が世界のトップにでるには、あと50年はかかるだろう」と言われていました。現に、初めて参加した1999年の世界大会では事実上のビリで、女性チームにも敵わない始末…。スタートはそんな状況でしたが、我々日本チームは8年という短期間で世界2連覇を達成することができました。監督である私は挫折と試行錯誤を重ねながら、「日本人の強さを最大限に引き出すマネージメント」を見出し、チームで実践してきました。 自分たちが日本におけるラフティング競技のパイオニアである以上、すぐに参考にできるような手本はありません。強豪国を研究し、分析・模倣するという試行錯誤を繰り返してきました。中には大失敗した苦い経験もあります。実は世界一のチームを作る前、私はチームをひとつ潰してしまった経験があるんです。チームをまとめることができず、「あなたにはついていけない」と言われたこともあれば、「君には辞めてもらう」と言ったこともある。「あの人が辞めるなら自分も…」と去っていったメンバーもおり、まさに“チーム崩壊”でした。散々な事態にクビも覚悟しましたが、寛大なスポンサーの会長は「…お前、このまま終わったら、悔しくて夜も眠れないだろ!もう一度やってみろ!!」と。私は恩返しを心に誓い、メンバー集めから再スタートを切りました。私のマネージメントは、失敗からのスタートでした。 再出発の機会を頂いた私は、プロチームを率いる者としてスポンサーのために「何が何でも世界一になる」、「世界一のチームにふさわしいリーダーになる」という決意をしました。自分を改め、リーダーとして成長しようと、マネージメントや組織論を学んでは現場に還元していきました。結果を出している指導者やリーダーにアドバイスを頂く機会も多かったのですが、自分の失敗談と現状を伝えると、10人中10人に「君もか!(笑)自分も昔ね…」と言われることには驚きでしたね。私が失敗した原因は“自分のやり方にこだわり、プライドを捨てられなかったこと”、“メンバー間で、互いの意見を認め合えなかった”ことであり、同じ失敗経験を持つリーダーがいかに多いかを、今になって実感しています。
日本人の力を引き出すマネージメント~コミュニケーションの大切さ~
私は新たに結成したチームで、メンバーのモチベーションアップ、リーダーシップ見直しなど、様々な角度から組織作りに取組みました。その中で最も意識したのは、チーム内の「“本音”のコミュニケーション」です。前チームは他スポーツの一流選手を集めたのに対し、新しいチームでは純粋にラフティングが好きで、監督である私の考えに賛同してくれるメンバーを集めました。そんなメンバーと本音で語り合える環境を目指し、練習や大会中はもちろん、オフの時間もとことん語り合いました。そんなコミュニケーションが築くチームワークがどれほど勝負に影響するかを、私は線で辿るように学び、結果を出すことで確信し続けてきました。 コミュニケーションを最重視しながら、前チーム時代からの“強豪チームをまね・分析・実践する”という地道な練習を重ね、2007年に我々は世界大会3位にまで達しました。「自分たちのやり方は間違っていなかった」という自信を得ることができましたが、さらに上に登るためには何が必要か、私は考えました。「守破離(※注1)」の“守”から“破”へ進むためのヒントは、「日本人の強さ」の見直しにありました。スポーツには各国の国民性が表れます。ラフティング強豪国・ブラジルでいうと、その強さの源は祭り魂にあると思います。彼らはいつも大会に楽器を持参し、まずは自分たちがリオのカーニバルのように盛り上がり、その勢いで大会そのものを盛り上げ支配してしまうんです。一方で日本の強さはというと、「チームワーク力」なんです。日本人は大切な目的に向けて一致団結すると、物凄い力を発揮します。その力を引き出したいと考えました。ラフティングという、自然と仲間と調和しながら1つのボートを動かす競技で、選手全員がひとつになれたら…。意識や感じることが一体化するくらい究極のチームワークを発揮できたら、最強のチームができる。そう考えたのです。 チーム力や絆をより深めるため、「ブックシェア」というトレーニングも取り入れました。詳細は講演会でご紹介しますが、このトレーニングでは互いに、本人すら気づいていない心の内面・価値観をシェアできます。「仲間が自分のことを分かってくれている」という安心感は、信頼関係の根っこの部分です。さらに私はリーダーとして、メンバーの個人目標とチームの目標がリンクするよう促していきました。「このチームなら、何があっても大丈夫。世界一になるぞ!」、そんな絆と一体感を携えて、我々は2009年のボスニア世界大会に臨みました。ラフティングは4種目の総合点で順位が決まりますが、生憎、最初の3種目は逆風が吹き、総合順位は7位。残る1種目での巻き返しは絶望的な状況に陥りました。押し寄せる不安を乗り越えて、「(最終レースは)絶対に勝つ」と私は言い放ちました。メンバーもそう信じました。この最終レースで日本が王者・ブラジルを破り1位になると、私たち以外の誰が予想できたでしょうか。この日のレースは選手全員が「ゾーン」と呼ばれる精神領域に入り込み、自分たちが進む道のイメージが見えて、それどおりの動きができたという、我々にとって伝説のレースとなりました。
自然から学ぶリーダーシップと「心の整え方」
私はリーダーに必要とされる能力のなかに、「感性」、そして「心を整える力」があると考えています。感性で「社会や組織の動き、今すべきこと」を察知し、不慮のアクシデントに遭遇しても即座に心を整え、「最良の対応策は何か」を考える。そのすべてを、私は自然、そしてラフティングから教わりました。自然を舞台とするスポーツは常に予測不可能な出来事の連続ですからね。2011年の東日本大震災も、まさにそれを表す出来事だったように思います。リーダーの言動は、チーム全体に大きな影響力をもたらします。常に心を整え、前向きな言動をして、チームに前向きな空気を作らなければなりません。2009年の最終レース(※前述)が終わった後、メンバーから「絶望的な気持ちだったレース前、唯一の心の拠り所は監督だけでした。その監督が不安そうな顔をしてた時は、心が折れそうでした」と言われたのは印象的でした。あの時自分自身の不安を打ち払い、監督として「絶対に勝てるぞ!」と言えたことが、チームの底力を引き出す引き金になったのだと思います。 では、どうすれば感性を高め、心を整えられるようになれるのか。一番の訓練方法は「自然と向き合う、自然を感じること」だと思います。海や川など自然の中に入って、左脳で考えることをやめ、ただそこにあるものを感じてみてください。次第に、“自然に対し人間の存在はいかに小さいか”、“自然の力によって、人間は生かされている”と感じることができるようになると思います。そう、人間の力への過信を捨てることが第一歩なんです。私は初めて激流に流されたとき、自然の前では人間のプライドや見栄、お金や肩書きはいくらがあっても一切通用しないと身を持って知り、完全に価値観が変わりました。自然の厳しさを享受する心構えができたように思います。 昨今いじめや凶悪犯罪など様々な社会問題が起こっていますが、その原因も、人間が人間の力を過信していることにあると私は考えています。自然と接する機会が減り、人間と自然のつながりを感じづらくなった生活のなかでは当然の結果かもしれません。自然の恩恵を受けて生きていることを真に理解していれば、人間や動植物の“命”を粗末に扱うことはできません。自然の恩恵と厳しさは表裏一体であることを知ると、生きる心構えや心を整える意識が芽生えます。「すべてが当たり前に存在している訳ではない」と知ることで、万物に感謝する気持ちが生まれます。自然はいつも、人間の心の歪みを正してくれます。本来日本人は自然への畏敬の念が強い民族で、日本人の強さの原点はそこにあるのです。日本人の心を本来の姿に戻してその力を引出し、日本を立て直す人材育成に貢献したい。それが私の願いです。ぜひ講演会でお会いしましょう!!
※注1 「守破離」とは …修行における順序を表す言葉。「守」は師の指導を守り、指導者の価値観を自分のものにすること。 「破」は師の教えを発展的に破り、自分独自の方法を得ること。 「離」は独自の方法を確立し、師の教えを離れること。
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経歴
- 1974年
- 南アフリカ共和国・ヨハネスブルグに生まれる。
- 1992年
- 私立山手学院高等学校卒業後、オーストラリアに渡豪。初のラフティング体験をし、グレード5の激流で転覆、500メートル以上流される衝撃的な体験をしてラフティングの虜になる。
- 1993年
- オーストラリアにて最年少(19歳)ラフティングインストラクターとなり、以降世界17カ国、40以上の激流を下る。
- 1995年
- ジンバブエ・ビクトリアの滝直下(世界最高の激流)ザンベジ川でラフティングガイドを務めるその時に開催されていたラフティング世界大会に衝撃を受け、いつの日か世界大会に出場する事を決意。
- 1999年
- 日本初のラフティング世界大会代表チームを結成し、南アフリカ・オレンジ川大会に出場するも16チーム中15位という成績。
- 2002年
- 日本初のプロ・ラフティングチームとしてテイケイ株式会社ラフティング競技部「ラフティングチーム・テイケイ>を結成し、同チーム監督兼任選手に就任
- 2007年
- 韓国で開催されたラフティング世界大会でアジア初の3位入賞を果たす
- 2009年
- ボスニアヘルツェゴビナで開催された世界大会で準優勝
- 2010年
- オランダで開催された世界大会で総合優勝
- 2011年
- コスタリカで開催された世界大会で総合優勝
主な講演テーマ
世界最弱ラフティング日本を8年間で世界一に引き上げたチーム統率方法
世界最弱ラフティング日本を8年間で世界一に引き上げたチーム統率方法
1999年、初めてラフティング日本代表チームを結成し、競技ラフティングで世界に挑戦するも最下位と言う苦渋を飲まされる。その経験からリーダーシップ、メンタル理論、日本人が持つ強みを徹底的に研究。独自の理論を創り上げ、2010年ラフティング世界大会・オランダにて総合優勝を成し遂げ、日本が向こう50年はかかるといわれた競技ラフティングの世界を10年間で世界一に引き上げた。最強の絆を作り上げる為の「和のチーム統率方法」を語ります。
こころの操縦方法
こころの操縦方法
スポーツもビジネスも結果を引き出す要素はメンタルが9割だ。そして、自分の幸せとは自分の心が決めるものだ。本や知識ではなく、心の整え方、メンタル管理方法を知る事が、最も大切な時代になったと感じている。しかし、悲しいかなその方法は学校では教えてくれない。講師がラフティング競技世界一に至る過程で創り上げた独自のメンタル操縦方法、こころの操縦方法を語ります。人の心を操縦する役目のある経営者、リーダーはもちろん、自分の幸せを達成したい人は「自分の心の操縦方法」から学ぶ、引き寄せの法則を語ります。
川と水、自然が教えてくれた事
川と水、自然が教えてくれた事
今、日本にある問題、心の病の原因は、人が自然との繋がりを忘れてしまっている事に他ならない。日本人は昔から、先人達から学び、 自然から学び、それらを教科書とした大切な「こころ」を持っていた。昔の日本人は精神性を大切にしていた。いつからなのだろう?それを忘れてしまったのは?いつの日かその「こころ」を、お金に置き換えてしまったのかもしれない。僕は失ったその「こころ」を、せっかく先人達や自然が教えてくれている「こころ」の大切さを、今こそもう一度思い起こし、伝えていきたい。
一番大切なのは『ワクワクする事』
一番大切なのは『ワクワクする事』
僕の癖は、いつもデッカい夢を掲げることだ。人が想像しないような、デッカい夢を掲げる事がたまらなく好きだ。デッカい夢を掲げるとワクワクしてくるからだ。それを絶対にやり遂げたいと思うからだ。高校を卒業した。せっかく進路が自由に選べるのだから、大学に行くのではなく、サラリーマンになるのではなく、オーストラリアに渡った。せっかくオーストラリアで働けるなら、日本では出来ないような仕事をしようと思いラフティングを仕事にした。せっかくラフティングができるならスケールのデカイ川に行きたいと思った。せっかくラフティングができるなら世界一を目標にした。せっかくラフティングができるならプロチームを創ろうと思った。ただ、それだけだ。ただ、「せっかく与えられたチャンスなんだから、どうせなら、デッカい夢を掲げよう!」「せっかく与えられた人生なんだから、一度しかない人生なんだから、どうせなら、ワクワクする事をやり続けよう!」と思い続けているだけだ。「ワクワク」は自分の魂の声であり、それを教えてくれるセンサーだからだ。僕のそのスタンスは、昔から今まで変わらない。
主な実績
講演実績
一般社団法人・日本チームビルディング協会 (シリーズで、大小併せて15回)/学生団体Heart&Soul (2回)/ソニー生命保険(お客様向け講演会 3回)
テレビ
日本テレビ | 今日の出来事/ ナイナイサイズ/ Newsリアルタイム/ |
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CS放送 | sports-I ESPN 清水圭の気楽に行こうぜ/ Sports-I ESPN Movin’ You HONDA/ |
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NHK国際放送 | WORLD NEW/ |
CSフジ | ワンツーネクスト/ |
新聞
産経新聞 / 読売新聞 / 東京新聞 / 神奈川新聞 / 信濃毎日新聞 / 矢作新聞 / 公明新聞 / 警備保障新聞 /
雑誌
カヌーライフ / 月刊アウトドア / アウトワード 9号 / MONOマガジン / GREGORY / NUMBER / 週刊新潮 / ZAKU2 / ZAKU2 / MT. / フリー&イージー 5月号 / A-style / AERA / 週刊アスキー / ATHRA / アドベンチャースポーツマガジン2003 / 日刊スポーツ新聞 / レオパレスタイムズ / アドベンチャースポーツマガジン2007 / PlayboatingJP誌/月刊ガルヴィ/Men’s Club /
その他メディア
<その他>
全国500店舗マクドナルド店内ビジョンでの放映(2001年7月12日~25日放送/25分パッケージで1日31回)
本
講演料金目安
- 275,000円(消費税、交通費別)