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理想の母親像に一石を投じ、子育ての本音を発信!ママ芸人くわばたりえさんにインタビュー

お笑いコンビ「クワバタオハラ」ボケ担当のくわばたりえさん。二男一女のママでもあり、子育ての苦労や悩みを飾らない言葉で綴ったオフィシャルブログ「くわばたりえのやせる思い」は、子育てに悩むママたちから多くの共感を集めています。今回、くわばたさんが主催する「メガネのママ友会」(東京会場)に、講演依頼.comスタッフ鈴木と江本が潜入。イベントの後に特別にお時間を頂き、「メガネのママ友会」への思いや、「子育て」と「仕事」についてのお考えをお聞きしてきました!

挑戦し続ける人たち~お笑い芸人・くわばたりえ

ママ友会はどういう思いで始められたのですか?

私は長男が生まれた時、ママ友が一人もいなかったんです。だから、ママ友が交流している雑誌記事を読むのが辛くて。世の中にはママ友が欲しいと思っている人がいっぱいいるんじゃないかと。今まで東京で51回、大阪も22回、他にも名古屋、仙台、高松、長野、金沢、山口、熊本、沖縄と色んなところで沢山開催しています。色んな話を共有できるから楽しいです。地域によって子育てに関わる悩みもいろいろ違うんです。

ママ友会をやって良かったなと思うのは、まず一つはなかなか遠出ができない、電車に乗るのに勇気がいる人が、「はじめて子どもを連れて電車に乗りました。これをきっかけに色んなところに行けそうです」って言ってくれたりする。これは嬉しい。だからママ友会ではテーブル分けをなるべく家が近所の人にしていて。そこで仲良くなってまた会おうとなってくれるのも嬉しい。あと皆私のブログを見て参加してきた人やから、あの記事が良かったとか、あの記事で泣いたんだよねとか、そういう共通の会話があるからどっかで初対面じゃないという空気も参加してくれたママ達にあるみたいです。特に私のブログでは、育児はしんどいと結構言っていて。だから、育児しんどいって言ってもいいんだという空気感がまずあるんです。初対面だけど、仲のいいママ友には言えないことがここでは言えるっていうのはあるかも分からないですね。

挑戦し続ける人たち~お笑い芸人・くわばたりえ

育児と仕事の両立に不安を持つ方にアドバイスはありますか?

アドバイスと言えば、完璧にしなくていいということかな。仕事は完璧にせなあかんかもしれんけど、仕事も育児も誰かに頼る部分があってもいいんじゃないかな。私子どもがいて、急に熱出すかもしれません、こんなことがあるかもしれません、その時は助けてくださいと。子どもは本当に急に熱を出すし想定外のことばかりで、大人の都合で完ぺきになんて絶対にできない。だから、人に頼る癖をつけるというか、頼ることが悪くないというのを会社全体がまず受け入れてくれるといいんですが。あと育休明けで働き出す時に不安なのは仕事が終わってからのご飯をつくる時間。たまには、レトルトでもいいと思うんです。だってレトルトの方がなぜか子どもがよく食べるし(笑)。ハンバーグって面倒じゃないですか、こねてなんやして、それでハンバーグ全部食べた後に、白米にごましおの方がいいって言われた時、「毎日ごましおご飯だけにしたろうか!」と思う(笑)。

親の心子知らず。子どもの言葉で一喜一憂する事はありますよね。

働くママはどこかで専業主婦のママと同じくらいのことを子どもにしてあげなくっちゃ、だって私子どもを預けていてかわいそうだもん、そのかわいそうな分を埋めようと思っているみたいですけど、まず保育園に預けているのはかわいそうじゃない。むしろ社会勉強を小ちゃい時からできてこの子ら幸せや、くらいにホンマ思ったほうがいい。実際そうなんですもん。実は私も最初は「かわいそう」って言われたのをひきずっていたんです。私もずっとかわいそうと思っていたから。でも、保育園に子ども3人預けているけど、保育士の先生や友達から子どもも学ぶこともあれば、私自身がこんな風に子どもに声がけしたらいいのかと学ぶことも多くて、勉強になる。子ども同士で喧嘩もするけど、仲直りの方法も覚えて帰ってきてくれる。預けてかわいそうって言う人もいるけど、ああそうやな、そういう意見もあるよね、くらいじゃないと。

挑戦し続ける人たち~お笑い芸人・くわばたりえ

くわばたさんが子どもだった頃、お母様は働いていましたか?

母親は小学生くらいになってからかな、新しい仕事を始めたりして。家に帰ると、スーパーのビニール袋の中に入ったおやつが、ちょこんとテーブルの上に置いてある絵を覚えています。妹と弟と一緒にそれを食べて。だから、家で留守番するのは寂しいという記憶はありません。今でも覚えているのが、通っていた幼稚園では17時くらいまでの延長保育みたいなものがあって、それはおやつが出るから、先生に嘘をついて、「今日はお母さん仕事だから私は延長です」と言ったことがあるんです。「そんなんじゃないから帰りなさい」って先生に言われましたが(笑)。おやつを食べたくて(笑)。うちの子どももいつも延長したいと言うんですけど、延長っていつもと違うクラスに集まって、違うおもちゃがあって、夕飯も食べられて。子どもはけっこう楽しんでんねんなと思います。

初めての子育て、くわばたさん自身の不安や悩みはどうでしたか?

けっこう悩みがあったんですよ。一番が育児休暇中。私はお母さんなんだ、今はお金を稼ぐことはしていない、家事と育児は完璧にしなくちゃという頭でやっていたから。それが全然できない。子どもは1日中泣いている。そして寝不足、夜は2時間おきの授乳で全然眠れない。1人目の時にしんどいって旦那に言ったんです。それで「2時間一人でどこかに行って来たら」って時間をくれて。それで外に出たら、信号待ちをしながら泣いちゃった。いつもはベビーカー持って、おむつも何枚も持って、うんちがはみ出たとき用の着替えも持って、前抱っことベビーカーのダブル体制で出かける。それが、お財布と携帯だけを持って、なんの重みもなく家を出て、信号待ちしてコンビニにうつる自分を見たら泣けてきた。こんなに一人でスタスタ歩けるなんて、子どもが出来る前は当たり前だったけど、なんてすばらしいんだろうって。喫茶店に入ったのですが、子どもの泣き声が空耳で何回も聞こえてくるんですよ、不思議。そこで、50歳くらいのおばちゃん軍団がベラベラ喋っているんです。昔やったら嫌だなと思ったけど、皆さん子育てしてきたんだって思うと、どんどん喋ってください、って大きい気持ちになりました。優しくなれた。育児休暇中は結局「頼ってはいけない」という自分の考えが、一番自分を苦しめていたんです。

日本は子どもを産み育てにくい国だと言われることもありますが、実際に生活する上で社会の反応等、感じることはありますか?

ベビーカー畳めやどうやとか不思議と嫌なことは覚えているのよね。でもいいこともいっぱい。そうやね、「頑張ってね」という言葉じゃなくて、「素敵な育児してますね」って初めて会った人に言われたことがある。たぶん子どもがニコニコしていたからかなと思うんですよ。その時、なんか自信持てちゃった。別に私がくわばたってなにも分かっていないんですよ。ただ信号待ちしていたおばちゃんが、「素敵な育児されているんですね」って。この言葉はなんかすごく嬉しかった。何を見てそう思ったかは知りませんけど。

それから、大阪の仕事が沢山あって、新幹線に子どもをよう連れて乗ってる時があったんですけど、すごく泣くから、デッキのところで子どもを抱っこしていることが多かったんです。泣いたらパパアっと出て行って。「小ちゃな子を連れまわしてかわいそう」なんて言われたこともあります。でもその時すごい覚えているのが、ある時トイレから出てきたおじさんが「抱っこさせてください」って言うの。僕は育児を全然できなかったと。一番子どもが小ちゃい時に仕事で家にほとんどいなくて全部妻が一人でしてたんですよ。だから抱っこさせてくださいって言うの。目に涙をためながら。なんで自分の子どものこんな可愛い時期にも、僕は抱っこしなかったんだみたいなことを言って。すごく衝撃的でした。本当、子どもの成長は待ってくれない。だから今のパパたちにも、今仕事が忙しい、そうやけど、もっと育児、今このかわいい時期に抱っこいっぱいしてほしいなというか。たぶん後で後悔すると思う。自分がちょっと楽になった時に子どもは高校生になって、お父さんなんていつも家に居れへんかったやんってなるしね。

ご主人と子育てや家事の分担等、工夫されていることはありますか?

出来る人がやる。誰がこれをやるというのはないですね。でもお風呂の掃除はだいたいパパかなぁ。最後に入るからね。日曜とか、私が結構しんどくてそのままほったらかして朝ちょっと遅く起きたら、パパがもう洗濯機3回まわしてくれてたり。本当神様みたい! 忙しい時は、どっかで自分の時間を作るというか、ドラマ好きだから録画したドラマを旦那と観る時間を作ります。子どもが寝てから洗濯機をまわしながら。あと、洗濯物を干すのとか全部旦那と一緒にやるんですよ。私が洗濯、洗い物と分けることもありますが、一緒にやると喋りながらできるからいいですよ。洗濯物畳みながら話す。これ、高橋英樹さん方式(笑)。一緒にやったら早く終わるから又二人の時間も持てるし、会話もできるしお薦めです。

子育て番組への出演やママ友会などを通して、多くのママ達とも交流されていると思いますが、働き方改革が叫ばれている今、取り組みが面白いと思う会社はありますか?

挑戦し続ける人たち~お笑い芸人・くわばたりえサイボウズさんは100点。一緒に仕事させてもらった時、ちょうど青野社長の3人目のお子さんに熱があって、会社に子どもを連れてきてたんですよ。それでね、「うちの社員は何かあると、会社に子どもを連れてくるんですよ」って言ったんです。会社に子ども連れてくるなんて考えられへん!って言うかもしれないけど、考えてもいいんちゃうかなって。熱の具合にもよるけど、37.5度くらいの子が横にいて寝ているぐらいだったらパソコンできるし、それで子ども連れてきて騒がしいとなるんだったら、休ませてって、なるだろうし。これはあかんやろ、っていうのをちょっとずつなくしていくのもありなんじゃないかなと思いましたね。サイボウズさんのようにトップが色々やってくれるのは、実は他の社員が助かって。青野さんにね、「でも社長、ずっと社長が子どもを見るわけにはいきませんよね」って言ったら、会社ではスケジュール管理が徹底さていて、社員全員のスケジュールがぱって見られるんですよ。こことここはAさんが30分空いているからAさんが見て、ここはBさんが、ってできるそうです。すごいですよね。サイボウズさんではパパが育休取らないなんて人がいたら、なんで「育休取らないの?」って逆に責められるそうです。

青野社長が言う通り、パパの時短育休っていうのが私もいいと思っています。青野さんは子ども3人とも育休を取ったんですって。1人目の時はガッツリ取る。だんだん3人目の時は時短育休にしたそうで。朝遅めに家を出て、16時には帰る。奥さんがご飯を準備している間、子どもを見て、その後一緒にご飯を食べてお風呂に入れて寝かしつけする、ということが夫婦で一緒にできることが一番奥さんが喜ぶって。一日家にいても何もできなくているより、時短で家族と関わるのが一番だったようです。

働くママ側として、意識しておきたいと思うことはありますか?

正直なところ、子どもがいない時と全く同じ働き方は無理だと思うんです。子どもが熱を出したらお迎えに行かなければならないし、熱が出たら数日休まなくちゃいけないかもしれない。だから全く同じことは出来ないかもしれないけれども、それ以外のことはすごく頑張るというか、出来ないからごめんなさい、だけでなく、これは出来ないけど、他のこれは出来ますというのも持っている必要があるというか。頼ることも必要なのですが。

私のブログに色んなコメントが入るんですよ。ある方が、子どもに熱があってお迎えに行かなきゃという状態の時に、「いいよね。そうやって子どもに熱が出たらすぐ帰れて」と言われて辛かったとね。それで、こちらがそれも嫌やなぁとかコメント書いたら、今度は言った側の方のコメントが入ったんですよ。「あなたは帰れるかもしれないけど、全く分からない仕事を丸投げされて一からやらなあかんこっちの気持ちも考えてよ。それをすみません、の一言で出ていかれるこっちの気持ちも。嫌みの一つも聞いて欲しい」ってね。確かにそうやろうなと思って。だからどっちの立場の人の気持ちも分かる。本当難しい!

あとキャリアの問題。今まで一生懸命働いてキャリアを築いてきたのに、育休を取っている間にポジションを失うとかあるじゃないですか。でも私は今のキャリアはなくなってももう一回それが出来る日が必ず来るから、焦ったらあかんな、って思う。子どもが大きくなったら、またがっつりやります!みたいなのもありなんじゃないかな。

今後くわばたさんが挑戦していきたいことをお聞かせください

ママ友会で元気になった、という声をもらうとね、この活動は続けていきたいと思いますね。ママ友会は本音が言えるところ。ちょっと肩の力抜いて息抜きが出来る。そういう場所であったらいいと思う。それと、働くママ向けにももっとやりたい。一度、私がママに話している間、子どもはパパが見る、ママが子どもといる間、私がパパに話すっていうイベントをやったんです。もうめちゃくちゃママの想いをパパにぶつけて。でもぶつけながらも、パパには「もうパパがいないと何もできない」みたいに媚びて(笑)。そうしてパパとママが寄り添い合いながら帰るっていうイベントでした。会の中でね、パパだけ集めてこれをやったらママが喜びますというのをママに秘密で教えるでしょ。それを家で実践したパパがいて、その後のアンケートで、ママ側から「急にびっくりしました」と。何を言ったかって?私が急に抱きしめろって言ったんですよ。喜ぶからって。それで「急に抱きしめられて気持ち悪い!ってなったけど、でも嬉しかった」って書いてありました(笑)。あとは、帰って来てから、「今日はどうだった?」と旦那さんが聞くようになって夫婦の会話が増えました、という感想だとか。私がママに子育てアドバイスするだけでは本当はダメなんです。ママとパパ一緒じゃなきゃ。そういう会をもっとやっていきたいですね。

あと、今、整理収納アドバイザーの資格を取る勉強をしています。そしたら良い事づくしなんです。家がどんどん綺麗になる。整理されていると、日々の暮らしも家事も時短でできる。だから私はまずママに伝えたいなって。物の置き場所を家族全員が把握できるようになったら、いちいち「ママこれどこ?」っていうのもなくなって。すごくいいんですよ。それと、おばあちゃんになったら保育士さんになりたい。実は子どもの保育園におばあちゃんみたいなパートの保育士さんがいてね、その方がまたいいんですよ。だから私もいつか保育士の資格を取りたいな、と考えたりしています。なんか楽しくないですか?ママに優しい言葉をかけられるおばあちゃん保育士、みたいな。チャレンジしたいことはたくさんあります。

挑戦し続ける人たち~お笑い芸人・くわばたりえ ―会の後に隣のプレールームで子ども(福隊長、笑隊長)と過ごすくわばたさん。外がまだ肌寒いのに元気にタンクトップ姿の福隊長、ボールプールに夢中の笑隊長、のびのびとした子供らしい笑顔が印象的でした。

――企画・編集:江本千夏/鈴木ちづる

くわばたりえ/お笑い芸人

くわばたりえ お笑いコンビ「クワバタオハラ」のボケ担当。大阪府出身。高校卒業後にNSCに入学。コンビ活動やピン芸人での活動を経て2000年にクワバタオハラとしてデビュー。2009年に結婚、二男一女のママ。子育ての苦労や悩みなどを飾らない言葉で綴ったオフィシャルブログ「くわばたりえのやせる思い」は、子育てに悩むママたちから多くの共感を集めている。現在、テレビ出演、育児関連のイベントにゲストとして参加するほか、育児について率直に語り合う場として「メガネのママ友会」を定期的に開催し、ママたちとの交流を続けている。

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