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思春期真っ只中の悩める中学生・高校生に、そして、その保護者の方、また、教育関係者に向けて、「講演会のプロが選ぶ!中学生・高校生にすすめたい本」をご紹介いたします。
第11回は、元横浜高等学校硬式野球部監督 渡辺元智氏著『人を育てる渡辺メモ 高校野球名将の金言』 (ベースボール・マガジン社)です。
中学生・高校生にすすめたいポイント
本書は、春夏合わせて計5度の甲子園制覇、類稀なる成績を残した高校野球の超名門校 横浜高校の野球部元監督 渡辺元智氏による著書で学びに対する姿勢や周囲への感謝の大切さを学ぶことができる著書です。
心を磨く大切さ
昭和48年にセンバツ初出場・初優勝を果たした横浜高校ですが、夏の県予選で桐蔭学園に敗れ甲子園春夏連覇の夢は閉ざされます。そして、この年の夏に優勝したのはセンバツの決勝で延長の末に破った広島商でした。
その年の秋、広島商の練習風景を見る機会をもった渡辺元監督。そこで目にしたのは、「美しく整備されたグラウンドや部室」「来客に対する部員の礼儀正しい心遣い」でした。
それまで、強くなるためには、「三振したらウサギ跳び」といったスパルタな指導による精神力の鍛錬が必要と考えていたそうですが、必要なのは、日々の些細な生活を丁寧に過ごし、心を磨くこと。これが、強くなるために必要なことと気づいたそうです。
環境をどう生かすかは自分次第
良い環境は人に力を与え、厳しい環境は人を逞しくします。そして、人は、わずかな時間であっても、環境に影響をうけます。そのことに関して渡辺元監督は、佐々木朗希君(大船渡高校)を例にあげ、述べています。
佐々木君は、代表合宿のわずかな期間で、自己最速記録を6kmも更新しました。代表合宿というレベルの高い選手の集まる環境に身を置き、ライバルの中で自分を高めようと思ったからこそ、佐々木君は自己最速記録を更新でき、成長することができたのです。
わずかな時間であっても、今自分が置かれている環境を最大限に生かし、成長につなげる。その環境をどう生かすかは自分次第なのです。
16歳から18歳は努力して耐え抜くことを覚える年代
体力、気力ともに充実してくるのが16~18歳という年代です。その時期に死にものぐるいで努力して、耐え抜くこと。その経験が将来の自分を支える大きな力になるそうです。
栄光より挫折、勝利より敗北
渡辺元監督も指導していく中で、色々と失敗したと感じることも多かったそうです。その中で、気づいたのが「栄光より挫折」「勝利より敗北」ということです。
栄光や勝利よりも挫折や敗北を経験する方が圧倒的に多く、学びも多いのです。 挫折や敗北から「何を学ぶか。学ぼうとするのか。」--自分を成長させる糧を見出すことが大切なのです。
講演のプロから伝えたいこと
失敗を恐れずに挑戦し続けてほしいーー失敗・挫折から沢山のことを学べる
松坂選手や筒香選手などプロ野球の中でも超一流の選手を指導されてきた渡辺元監督の言葉には重みがあります。ただ、そんな監督も最初から順風満帆だった訳ではありません。
色々な選手を指導する中で、沢山の失敗もしました。失敗したときには、他の監督や選手から沢山のことを学び、自分を向上させ続けてきました。
常に学び続ける姿勢を持つこと。失敗を恐れずに挑戦し続けること。成功の影には沢山の失敗があります。この本からは失敗・挫折から沢山のことを学び挑み続ける大切さを学ぶことができます。
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