2004年10月16日
挫折と挑戦
今月は、元アメリカ独立リーグ投手の今関勝さんです。
今関勝(いまぜき まさる)
元アメリカ独立リーグ所属プロ野球投手
武相高校をいじめにより1年で中退。翌年県立大楠高校再入学。しかし3年時に、高校野球連盟の規則により、試合に参加できず、クラブチームのウィーンベースボールクラブに所属。その後NTT東京を経て、93年にドラフト3位で日本ハムへ入団。
その後ローテーションの一角として活躍、96年にはイチロー等とともにオールスター戦にも出場、自己最多の11勝をあげた。
00年に日ハムを解雇され、野球を続けられる環境を探し、アメリカ独立リーグ(メジャーリーグの組織には属さない独自のリーグ)の球団に入団。
昨年まで、メジャーリーグのスカウトの目にとまる事を信じ、ひたすら投げ続け、ローテーションの軸になりメジャー昇格も間近と思われたが、家族の事情でアメリカでの活動を断念し、帰国。
現在は、日本のクラブチームで好きな野球を続けながら、「日本のプロ野球」と「メジャーではないアメリカ独自の野球」の両方を経験した事を活かし、講演、文筆活動を中心に、野球の発展に貢献していく。その厳つい風貌とは裏腹な、その心優しさ、そして純粋さに周囲は惹かれる。
挫折と挑戦
――高校時代に転校されたことで、高校の野球部ではなくクラブチームで野球を続けられますが、クラブチームとはどのような組織なのでしょうか?
クラブチームは、基本的に自分たちでお金を出し合って運営しています。スポンサーがつく場合もありますが、ほんの一部ですね。ただ、草野球のチームと違って、都市対抗や日本選手権の予選にも参加していて、レベルは高いです。
――その後、社会人野球のNTT東京、日本ハムへ入団されますが、その経緯は?
クラブチーム時代、都市対抗の予選でいいピッチングをしたので、いろいろな企業からお誘いを受けました。自分がプロ野球選手になるために、どのチームがいいのかという基準で決めました。日本ハムへの入団は社会人野球での活躍が認められ、ドラフトで指名されました。
――日ハム解雇後アメリカへ渡り独立リーグへ活躍の場を移されますが、はじめから独立リーグは視野に?
当時、独立リーグの存在を知りませんでした。アメリカでプレーしたいという気持ちは当然ありましたが、メジャーのテストを3球団受けてダメだったんです。その時に独立リーグの存在を知って、テストを受けたという経緯です。
――現在、独立リーグで活躍されている日本人選手は結構いますが、当時はどうでしたか。
いることはいましたが、独立リーグといってもリーグによってレベルの差があり、私が入ったトップのリーグでは、日本人は日本の元プロ野球選手が私を含めて3人でした。
――一般的にプロ野球を解雇された後の進路は?
一軍で活躍した選手であれば、それなりの人脈などがあるため、野球関係の仕事についたり、自分で商売を始める人が多いですね。2軍選手の場合、トラックの運転手など野球とは全く関係のない仕事に就くことが多いようです。
最近は元プロ野球選手でも社会人野球やクラブチームでプレー出来るようになりましたので、現役を続けることが可能となりました。
――クラブチーム、社会人野球、プロ野球、独立リーグと様々な環境でプレーされて来ましたが、一番印象深いのは。
どのチームも楽しかったですよ。もちろん一番環境が良かったのは日本のプロ野球ですが、それぞれの環境下で結果を出して先を見据えてプレーをして来ました。環境に文句を言っても誰も何もしてくれませんからね。
高校時代にいじめに遭って野球を辞めざるを得なかったという体験が結果的に良かったと思います。やっぱり自分は野球をやりたいんだと、強く再認識しましたし、弱い立場の人間の気持ちも分かりました。また若いうちに挫折を知ったことによって、何かあった時にすぐ次どうしてやろうというような立ち直り方を学びました。
――講演を通して一番伝えたいことは何ですか。
夢や目標を持って、それを見据えて日々行動して欲しいということですね。僕の体験談を通じて少しでも伝わればいいなと思います。
プロ野球選手になるという夢は紆余曲折ありましたが、叶えることが出来ました。もっと長く一線で活躍したかったというのはありますが。また、メジャーリーグへは到達出来ませんでしたが、やれるだけのことはやって引退という形ですので、後悔はないと言えば嘘ですが、少ないと思います。とにかく行動してみること。やってダメならそこからまた次を考えればいい訳ですから。
――今後の活動予定をお聞かせください。
選手としては、またクラブチームに所属してプレーして行きます。それから、経験を活かして講演や執筆活動によって野球振興に携わって行きたいと思います。後、野球用具の販売も始めました。安くて良い物を提供することによって、これも野球振興の一部として貢献出来ればと思います。
ありがとうございました。
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