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アーユルヴェーダの素晴らしさを 伝えていきたい

 インド人の父と日本人の母の間に生まれた真理アンヌさん。16歳の時、東宝映画「自動車泥棒」で女優としてデビューしたアンヌさんですが、デビューするまでは、ハーフであることにコンプレックスを抱いていたそうです。

どのようなきっかけから、ハーフであることに自信を持って芸能界活動をはじめたのか。そして、そこから何を学んだのか。また、インド5000年の歴史を持つ治療法であるアーユルヴェーダについても、日本アーユルヴェーダ伝承協会会長として、お話しを聞いてきました。

 

真理アンヌ (まりあんぬ)

 16歳で映画「自動車泥棒」(東宝)に出演し、女優として芸能界デビュー。その後TVドラマ・舞台・映画・レコード発売など幅広く活動、昭和46年より5年間読売テレビ「11PM」のレギュラーホステスとして活躍。

現在は司会をはじめ、コメンテーター・レポーター・各種の講演会・モデルなどタレントとしての活動エリアを益々広げ、更に今後の活躍が期待される。

なお、ご主人の福村芳一氏は、上海交響楽団の首席指揮者として、朝日放送「題名のない音楽会」などで活躍中。インドカレーのCMで夫婦共演をした。

アーユルヴェーダの素晴らしさを 伝えていきたい

―― 芸能界にデビューしたきっかけを伺えますか?

 私や兄弟はインド人の父と日本人の母のハーフだということで、雑誌のモデルを頼まれたりしていたんです。その後、外国人として映画のエキストラをやったりしました。父親がお小遣いを子供にあげない主義だったので、お小遣いのためにそういうアルバイトをしていたんです。

13歳の時に、水着でスケートを滑って脚線美を競うコンテストに参加して、準ミスで賞をいただきました。その時審査員をしていたレコード会社の方の推薦で、16歳の時に歌手としてデビューしました。

その少し前に、東宝の方の勧めもあって、安岡力也さん主演の「自動車泥棒」という映画で、女優としてもデビューしていました。

真理アンヌ―― ハーフであることが有利となったようですね?

 そうですね。今でこそ「ハーフ」ってかっこいいですけど、その当時はみんなと違うっていうことが嫌でした。でも、国籍がインドでしたし、完全に外国人という意識が強かったですよ。外国人なのに普通の日本の小学校だったんです、インターナショナルスクールには行かなかった。

今振り返ると、それが唯一の失敗でした。やはり、バイリンガルだった方がプラスだったと思うんです。でも、国語というか、日本語が好きだったんです。学生時代は書道や珠算、お琴、油絵などが得意で、何回か賞もとりました。「外国人にしては上手」というのがあったんだと思います。

 

―― では、当時はハーフであることがあまり好きではなかったんですね?


 そうですね。でも、それが芸能界に入ろうと思ったきっかけにもなっています。
道を歩いていると、必ず振り返られるんですよ。背も高かったですし、大人っぽくて外国人だということで。本来は目立つのが嫌いなのですが、そのうち、どうせ振りかえられるのなら、「外国人だ!」ではなくて、「スターだ!」と言われて振りかえられる方がいいと開き直っていました。

だから、どうしても芸能界に入りたかったというわけではなかったんです。
それに、インド国籍だから日本の企業には入りづらいし、語学が堪能ではなかったので外資系も無理で、中途半端だって感じてたんです。それなら、芸能界で頑張ってみようと思いました。

―― 最近、中国で映画「世紀末の晩鐘」を撮影されてきたそうですね。日本ではTBS系で5月に放送されるということですが、撮影はどうでしたか?真理アンヌ

 とっても楽しかったです。アメリカ映画なら、英語力が必須みたいですけど、アジアは言語数が多いので、語学が堪能じゃなくても大丈夫なんです。というのは、俳優は中国人と日本人でしたが、中国の俳優の方は北京語で台詞を言って、私たちは日本語で言うんです。それで、後から吹きかえるんですよ。だから、台詞を少々間違っても平気なんです。そういう大雑把なところが非常に楽しかったですね。

今年の8月には、ロシア在住の日本人のためにオペラの司会をしにロシアに行くんですが、それも、ロシア語の通訳が付いているので、私は日本語で話せばいいんです。本当にうれしくなってしまいます。

インターナショナルスクールに行かず、語学が堪能ではないことが唯一悔やんでいることでしたが、今では語学ができなくても、世界中でお仕事することができる。素晴らしいですよね。

真理アンヌ―― 世界中でお仕事をする、と言いますと、ご主人の福村芳一氏は、上海交響楽団の首席指揮者として世界中を飛び回っていらっしゃいますよね?

 最近、どうしてそういう主人と結婚したかわかってきたんです。本当は自分が主人のように世界中で仕事をしたかったんだと思います。

でも、私は語学力が足りないので、主人に自己投影していたんですね。でも、先ほどのロシアや中国のお仕事のように、今は私でもできる時代になってきました。

自分の使命や、生まれてきた目的って必ずありますし、それは達成できるものなんだと思います。私は主人と出会って、本来やりたかったことに気付き、今取り組んでいます。

―― 現在は、芸能活動の他に「日本アーユルヴェーダ伝承協会」会長をなさっていますね。アーユルヴェーダを始めたきっかけを教えてください。

 先ほど、父親がお小遣いをくれなかったと言いましたが、それは父が修行を始めたからなんです。それまで、父は貿易商として成功していて、私たち家族も神戸の異人館に住んでいる、裕福な家庭だったんです。

それが、父が40歳の時に、俗世を捨てて隠遁生活に入ったんです。朝日が昇るとともに座禅を組んで、私たちにサンスクリット語でマントラや、瞑想、ヨガを教えたりしていました。家のトイレには大腸を洗浄する器具があったりして。それが、インドで5000年前に生まれたアーユルヴェーダです。日常生活から、人間の自然治癒力を引き出して、健康に気を使い長生きしようというのが目的の、治療法です。

父は私が芸能界デビューした1週間後になくなっていますが、自分が死んでいく過程を説明しながら、そして最後は「オウム、オウム」と言って亡くなりました。それで、アーユルヴェーダを行っていた父がどういう人物で、どのような思想を持っていたのか興味が出てきたんです。

実はアーユルヴェーダは、私たちの日常生活で意識せずにやっている、簡単なことなんですよ。例えば、「鼻うがい」とか、「眼の洗浄」。アーユルヴェーダでは体の穴はほぼ洗います。今は「アイボン」のように商品化されていたり、「鼻うがい」のようにわかりやすい言葉になっていて、アーユルヴェーダが日常生活に浸透しはじめているようですね。


―― では、これから日本アーユルヴェーダ伝承協会会長として、どのような活動をしていきたいと考えていますか?真理アンヌ

 「アーユルヴェーダ」という言葉はまだ難しいイメージがありますよね。「伝達する言葉」って大事だと思うんです。相手に伝わらなければ意味がないですから。5000年というアーユルヴェーダの長い文化を、より皆さんが身近に感じられるように、現代風にリニューアルして、伝えていくことが私の役目だと思っています。

それと同時に、今の若い人達は「ミスマッチ」と言って、食べ物でもいろんな組み合わせを楽しんでいますけど、あまり自然の摂理に背かない方がいいと思うんです。インドではアーユルヴェーダですが、日本だと古神道の知恵が生活に浸透しているんですよね。

例えば、お刺身と山葵を一緒に食べるのは、殺菌作用があるからだし、冷奴に生姜が付いてるのは体を冷やさないためです。これを崩してしまうから、現在色々な病気が起こっているんだと思います。すべては理にかなっていることなので、逆らわないことだと思います。

―― 最後にメッセージをお願いします

 語学力の有無について、先ほどお話ししましたが、例えば、インドに行くと言葉がわからなくても、相手の目を見ていると、ニュアンスというか、雰囲気などで、相手の言いたい事がわかるんですね。

よく、英語ができないから外国人とコミュニケーションができないという方がいますが、そうではないと思います。心の交流を大切にしていけば、心というのは人類共通のものですし、もっと皆わかりあえるんだと思うんです。犬を飼っている方はお気づきだと思いますが、犬が散歩したいのか、ご飯を食べたいのか、目をみればわかるんです。

今、イラクで戦争が行われていますね。もちろん、国際情勢は複雑ですから、そう簡単にはいきません。でも、根底にあるのは同じだと思うんですよ。心で交流せずに、相手を深く知らないうちから、敵と決め付けてしまうのは浅はかだなと思います。

語学力が不足していても、伝えようという気持ちがあれば、相手も一生懸命わかろうとしてくれるはずです。心を大切に、周りの人達と交流していって欲しいですね。

――ありがとうございました。

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真理アンヌ

真理アンヌ

真理アンヌまりあんぬ

女優

16歳で映画「自転車泥棒」に出演し、女優としてデビュー。以後、そのエキゾチックな魅力で、映画やテレビドラマ、舞台、歌手として活躍。特に鈴木清順監督映画「殺しの烙印」のヒロイン役は強烈な印象を残した。 …

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