「話題のビジネス本」第十八回目は、前田裕二さん著『メモの魔力 The Magic of Memos』をご紹介します。
前田さんは動画ライブ配信のストリーミングサービスである「SHOWROOM」を立ち上げ、社長としてご活躍をされています。最近はTVや雑誌などでも度々特集が組まれるなど、今話題の青年実業家の方です。
本書では「幼少期からメモを取ることは呼吸をするかのように自然なことだった」と語る前田さんの、メモを取ることへの想い、そしてそれを事業や人生そのものにどう活かされているかを紹介されています。
前田さんが本書で語るメモを取ることのメリット、メモによって鍛えられスキルに以下の5つを挙げられています。
(1)アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)
(2)情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)
(3)相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)
(4)話の骨組みがわかるようになる(構造化能力の向上)
(5)曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)
メモをとることで、まず何よりも、余分な情報はストックしておいて、自分の頭を有益な情報を生み出すことのために使うことができる。メモを取るという行為そのものは非常にシンプルであるものの、その効果は非常に奥深く、魔法のようなアクションであると前田さんは語っています。
また本書ではメモを取ることのノウハウやスキルのお話の他に、「メモで夢をかなえる」ということ、つまりは「自己分析」にも有効であるということにも触れられています。
「夢を紙に書くと現実になる」という言葉はどこかで耳にしたことのある方も多いかとは思いますが、「言語化」することの大切を前田さんは主張されています。
その夢や目標を紙に書いた時点で、潜在意識に刷りこまれる度合いが高くなります。そして夢を叶えるために必要なことをブレイクダウンして考えたり、現在地との差分を埋める努力方法を見極めるきっかけになるのです。
本書では最後に自分を知るための「自己分析1000問」という付録が付随されており、読者がメモによって自己を見つめなおすためのきっかけを提供してくれています。
今回ご紹介した内容は本当にごく一部です。本書ではメモの取り方やその意味に関して、ただスキルを紹介するのではなく、前田さんの実体験や想いを含めながら非常に丁寧に解説をされています。
働き方改革やAI技術の発展など、社会環境は日々変化をしています。そんな劇的な変化に対応する自己を確立するためには、メモというシンプルな行動が最適なのかもしれません。
多くのビジネスパーソンに読んで頂きたいお薦めの一冊です。
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