「話題のビジネス本」第二十八回目は、山口周さん著『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』 (ダイヤモンド社)をご紹介します。
山口周さんの書籍は以前にも、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』 (光文社新書)に関して書評を書かせて頂きました。
さて、今回の書籍において山口さんは、これまでの社会で高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い優秀な人材を「オールドタイプ」、一方、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材を「ニュータイプ」と定義され、現代社会において、今後はそのニュータイプの人たちが大きな価値を生み出し、評価されるだろうと謳っています。
ではニュータイプとはどんな人材か、オールドタイプからニュータイプへのシフトを24項目で解説しているのが本書籍です。
私がこの本を読んで、特に感じたことを集約すると
今後世の中において、
◇「問題を解決し、モノを作り出す能力」ではなく「問題を発見し、意味を創出する能力」が必要となる
◇「役に立つモノや人材」ではなく、「意味があるモノや人材」が生き残っていける
ということです
山口さんは、上記をコンビニで売られているもので例えられています。
コンビニでもハサミやホッチキスのような文房具は売られている光景を目にしますが、あくまでそれは1種類のみ。対してレジに置いてあるタバコは同じタバコでも数十種類の銘柄があります。このタバコこそ「役には立たないが、意味がある」をまさに表現したものなのです。タバコを購入する人に「なぜその銘柄を買うのか」と尋ねるとそこには、買い手それぞれのストーリーがあり、意味があるのです。
役に立つものは相対評価であることが多いのに対して、意味がある・ないという軸は絶対評価であり、競合がいたとしても、意味さえあれば戦うことができると山口さんは強く語られています。
時代や社会に合わせて、自分自身をより「意味のある存在」としてアップデートをしていけるか、相対的な評価ではなく、いかに唯一無二の存在になれるか、自身の生き方を非常に刺激される書籍でした。
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