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講演など、人前でお話をされるときに緊張した経験はありますか?また、そのエピソードを教えてください。
落語家の高座は、座布団に正座して落語を話すのが普通ですが、講演会のお仕事をはじめた頃のことです、立ってマイクを持ちながら話す。
普段の高座とは違うスタイル。
演台の前に立ち講演内容のレジュメを演台に置いて話に入りました。
もう足はガタガタと震え話をはじめましたが、自分で何を話しているのかわからない状態まで緊張していました。
伝えたいことの百分の一も伝わらないひどい講演会だった思い出があります。
人前でお話をされるうえで、心掛けていることは何ですか?
まずは、雰囲気に飲み込まれない様に講演をする会場の下見。
会場の広さやマイクのテスト、実際にこれから講演をする場所を見てマイクで声を出すことで、講演で話すイメージが自然とできて緊張も解けます。
また話す時の目線ですが、最後尾に座っている頭の上辺りに目線を置くと、緊張感も和らぎ、また見ている側からは顔がしっかりと見えるよい姿勢になります。
どうしてそのポイントを心掛けることになったのか、エピソードも含め教えてください。
講演会では、自分の体験談を軸に話すこと心掛けています。
他人の体験談や書物の引用の話ですと生きた講演内容が伝えにくくなります。
私もはじめのころは、台本やレジュメ等を使った講演をしていましたが、どうしても目線が下を向く比率が多くなり活き活きとした講演が出来ませんでした。
そこで、あえて縁台を使わずに、舞台を広く使いながら生で楽しめる講演を心掛けています。
人前でのお話に慣れていない方に向けて一言お願いします!
私は、高座に上がる前に左手のひらに右の人差し指で「人」という文字を書いて飲み込みます。
これは舞台に上がる前に「人を呑む」単純な縁起担ぎですが、こんな単純なルーティンも緊張を解きほぐします。
一般的な効果的方法として、息を鼻から吸って口に出す深い呼吸を3回から5回繰り返すのも良いでしょう。
また、落語で言う「マクラ」と同じですが、まずは開口一番の「つかみ」の内容、たとえば時事ネタや天候、何度もいいので一言話してから本題に入るのも良いと思います。
林家うん平はやしやうんぺい
落語家
1959年12月、東京都生まれ。 1979年、林家こん平に入門。 その後、(社) 落語協会・前座入り、二ッ目昇進を経て1995年に真打昇進。 講演にも力を入れており、2003年から本格的に開始。…
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