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『 がん(癌)の体験者の声 』、第三回目は、「あのねのね」で一世を風靡し、1989年から毎週日曜お昼「噂の!東京マガジン」に出演され、芸能界きってのアウトドア派であることでも有名な清水国明さん。
もし、下記の3つに少しでも当てはまる方でしたら、ぜひ読んでみて下さい。
- ☑ 今、がん(癌)と向き合っている方
- ☑ 周りに、がんと向き合っている方がおられる方
- ☑ 今を生きるためのヒントを探されている方
清水国明さんは、2009年に十二指腸がんであることを告知されました。
7時間に及ぶ手術の前後で何を感じられたのか?貴重なインタビューをお届けします。
どういったきっかけで、がんが発覚したのか、状況の詳細を教えてください。
振り返ってみると、がんが発覚する2年前から月に1回、胃や体の真ん中の付近がすごく痛いなぁと感じることがありました。
しかし背中を叩いてもらうとスーッと治り、普段の生活には全く問題がなかったのです。
また私が、胃が痛いことを周囲に話すとみんながすぐに携帯している胃薬をくれるので、誰もがこの様な胃痛と戦っているんだなぁと感じていました。
そのため、しばらく病院へ行くことはなかったです。
その後、2009年に知人が開院したクリニックへ遊びに行ったら、お試しで人間ドックを受診させてもらえたのです。
その結果、お腹にグリグリっとしたものがあると言われ、それは十二指腸の乳頭部にできたポリープでした。
内視鏡で組織を調べると、そのグリグリが悪性であることが分かったのです。そのころ会社の資金繰りで悩んでいたので、そのストレスでできたに違いないグリグリの腫瘍のことを、僕は「資金グリ」と呼んでいます。
がんの告知後、励まされた言葉や、人との出会いなどあれば教えてください。
慈恵医大の執刀医 三澤先生との大きな出会いがありましたね。
僕のガンはどうしたら治るのかと聞いたら、三澤先生は「切ったら治ります。術後5年の生存の確率は50%。」と答えたのです。
半分の確率で治るのなら、すごくラッキーだと感じました。
がんが初期の段階で見つかったことや、手術をすることで50パーセントもの確率で治るというのですから、大変な幸運です。
迷うことなく三澤先生に、すぐ手術して下さいと伝えました。
通常の患者さんは、何人ものセカンドオピニオン(※1)を巡って十分納得してから決断するのだそうです。
三澤先生は、僕の決断の早さに驚かれたようでした。
自分の判断ではなくこれまで幸運が続いていたのだから、ここで迷うことでラッキーのリズムが変わってしまうかも、と考えたのです。
手術を決断した後は、僕のがんについて三澤先生に質問しまくりました。
十二指腸を切ることは、どういうこと?
切った後小腸に繋ぐとは、どのようにつなぐのか?
胆のうは、どうするの?などなど。
オートバイのレースをやっていた関係で、エンジンの構造に詳しかったので、自分の内臓をエンジンに置き換えて考えると分かりやすかったです。
手術の細かな部分も図面化し、絵を書きながら理解を高めていきました。
その結果、今回の手術に関わるブラックボックス的な、わからない部分をほとんど無くして、納得の上で手術に臨みました。
完ぺきな手術をしてくれた三澤先生とは共に戦った戦友として、今でも交流があります。まさに腹割って話せる大切な人です。
がんを体験されて学んだことはありますか?
手術後、激しい痛みがあって、どうにも我慢できない苦しい時がありましたが、何とか乗り越えられたのは、当時2歳の息子、国太郎がいたからです。
この子のために絶対に死ねないと思いました。
人は自分のことだけで生きていると、早めに諦めスイッチが入ることがありますね。
でも僕は、こいつのために死んでも死にきれないぞと思って、乗り切ることが出来たのです。
僕はがんと闘った体験で、誰かのために生きようとする人間は、すごく強くなれるのだと学びました。
今思うと三澤先生に続く命の恩人は国太郎だと思います。
手術前まで、上手に過ごすコツがあれば教えて下さい。
入院生活中に、手術後の楽しみを先に具体的に設定することですね。
その楽しみのために、早く手術してほしいと思うようになります。
入院当初は食事を運ぶ台車の音でも、手術室へ運ばれてゆくストレッチャーの音に思えて憂鬱な気持ちでした。
なので、手術が終わったらゴルフをしよう、オートバイに乗ろう、魚釣りをしようと、大好きなことを実行する日時や、一緒に楽しむ仲間の名前まで具体的に決めたら、早く手術してくれないかなーと、ワクワクしながら手術までの日々を過ごすことができました。
がんを体験することにより、気持ちのコントロールの仕方も学べました。
今現在、どのようにがんと向き合ってお過ごしされているか教えてください。
現在、『がんと向き合う』という意識は全くないです。
がんはストレスで生活のバランスが崩れると発症すると思うので、
どんなことも思い煩わず、自分の免疫力を信じて生きています。
現在がんと闘病している人に向けて一言お願いします。
がんは、告知をされた瞬間から急激なスピードで進行すると僕は思っています。
なぜなら、がん告知くらい大きなストレスは他にないからです。
ですから、がんと告知を受けた瞬間からが勝負なのですね。
絶対に完治するという強い信念をもって、信頼できる医師と打ち解けて、何でも聞いて、医療行為のブラックボックスを作らないことが大切です。
※1 セカンドオピニオンとは、患者様が納得し手術を受けるために、
現在診療を受けている病院や医師とは、違う医療機関の医師に「第二の意見」を求めること。
弊社には、がんと向き合う講演の特集ページもございます。
「がん(癌)」をテーマにした講演の講師をお探しの方は合わせてご参照ください。
――企画:土橋昇平、細野潤一/取材・文・編集:細野潤一
清水国明しみずくにあき
タレント
「あのねのね」で一世を風靡。芸能界きってのアウトドア派、スローライフ実践者としても知られ、子ども達の生きる力を育むための自然体験イベント等を積極的に実施している。また自然と共に生きる自身の経験から、シ…
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