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春休みや夏休みといった長い休みが終わり、新たに学校生活がはじまる4月や9月。楽しい学校生活に胸を膨らませる子どもたちがいる一方、悩みを抱え、学校に行くことを恐れ、悲しいことに自ら命を絶ってしまう子どもたちがいるのも事実です。
子どもが悩んだり、苦しんだりしている時に「死」という選択をせず、「生きる」という道を進んでいってもらうためには、親としてどのように子どもと接し、声をかけ、背中を見せればよいのか――友人の自殺を経験し、自らも“生きるのが辛かった”という経験をされた岡本麻里さんに伺いました。
“生きるのが辛かった”時期があったそうですが、どのようなことが原因だったのですか?また、どのように乗り越えたのですか?
弊社:現代の子どもたちは、SNSなどによる交友関係のしばりや、スクールカーストなど、常に人の目を気にし、比べられ、目立ったり、違うことをするとすぐに叩かれるなど、かなり生き辛い環境にあるかと思います。岡本さんも“生きる”のが辛かった時期があったそうですが、どのようなことが原因でそのように思ったのですか?
岡本:一番最初に生きるのが辛い、生きづらいと感じたのは”数字”での評価でした。中学生の時に、勉強やマラソンを頑張り、一気に上位に入ったり表彰された時のことでした。嬉しいという気持ちと同時に「次の結果が下がったらどうしよう」と不安になりました。そしたら、勉強も走ることも”コワイ”と思い、勉強することも走ることも辞めてしまいました。
また、ちょっと男性にチヤホヤされると、全く覚えのない陰口を女性に言われたりして。だったら男性と関わりたくないなと思った時期でもありました。なので、19歳くらいまで、勉強も走ることも男性を好きになることも辞めていました(苦笑)
芸能界に入ってからは、仕事の量や、仕事で評価されることがあっても、「こんな私がお仕事いただけて、少しでも知っていただけるだけ、運が良い」と思って生きてこられるようになりました。開き直れたというか。
挫折も自虐として”ネタ”に変えられたのは、生き方として楽になりました。
ただ、唯一真面目にしてきた恋愛で”売名”と言われた際は、「真面目に恋愛してきても、結局は煙のないところから火が出るなんて、真面目にしてきて馬鹿みたいだな」と挫折を感じました。
弊社:“数字”での評価が辛かったのですね。また、真面目にやってきても、揶揄されたり評価されなかったり。勉強や運動などは、自分との戦いといいながらも、親としては、つい結果を求めたりしてしまったりして・・知らないうちに追い込んでしまったりしていることがありますね。また、学校などでも、子ども達のあいだでは、自然に優劣がついていて・・・ちょっと人より目立ったりするといじめの対象にもなったりして。
「命の大切さ」を知ってもらうためには、親としてはどのように接したり、声がけをしていけばよいとお考えでしょうか?
弊社:でも、そんなことをきっかけに自分の子どもが悩み、自殺をしてしまったら、親としてはとてもやりきれない気持ちになります。子どもたちに普段から「命の大切さ」を知ってもらうためには、親としてはどのように接したり、声がけをしていけばよいとお考えでしょうか?岡本さんは、友人を自殺で失ったご経験があるのですよね。そのときに感じたことを交え、お話しいただけますか?
岡本:私は常に「大好きだよ」と素直に愛情を伝えています。子どもに対しても、友達に対しても、恋人に対しても。愛情は、生きる力になると思うんです。大好きなんだよ、愛してるんだよって伝えることは、相手の命を「必要としているんだよ」ってことなので。
昔、ある友人の誕生日に、「おめでとう」ってメールをしました。翌朝に友人から「出会ってくれてありがとう」と返信が来ました。わたしは、その時そのメールに返信をしませんでした。いつでも会うことができると思っていたから・・・しかし、二度と彼女に会うことは出来なくなってしまいました。ずっと「なんで産まれて来てくれてありがとう」って言えなかったんだろうと後悔しました。それ以降、しっかり気持ちを素直に伝えようと決めて生きています。
弊社:なるほど。「大好きだよ」と素直に伝え続けることにより、「自分はここにいていい存在なのだ。必要とされているのだ」という自己肯定感が育まれ、大切な存在の自分がいなくなってしまったら周りがどんなに悲しみ苦しむか、必要としているかがわかるのですね。
もし今、自分の子どもが困難にぶつかり自分に価値を見いだせず、落ち込んでいたら?
弊社:もし今、自分の子どもが困難にぶつかり、自分に価値を見いだせず、落ち込んでしまっている状態にいたらどのように声がけをしたり、あるいは、どのような行動をしてあげればいいと思いますか?
岡本:「周りと比べなくていいから。出来なくても大丈夫だよ。」と伝えます。大切なのは、「笑顔で生きてることだよ」って。もちろん勉強や運動が出来たら、すごく素敵です。でも、それが生きることへの妨げになったら、勉強も運動も捨ててしまえと。”生きる道”はそれだけじゃないから、大丈夫だよって。受験や就活に失敗したり、夢が叶わなくても、その目標だけが”生きる道”ではありません。生きる道はひとつじゃないから。
一番大切なのは、「楽しく生きてるか」だから。人に優しく、人を愛せば、自分自身も楽しく生きれるよって伝えていきたいです。
弊社:一番大切なのは、「楽しく生きてるか」ですね。確かにそうでうね。親は、子どもが勉強ができたり運動が得意で活躍をしたりしたらとても嬉しいです。しかし、一番をとるため、ずるをしたり、自分を追い込みすぎて怪我や病気をしてしまっては悲しくなってしまいます。成績が悪くても、運動が苦手でも笑顔で楽しく元気に過ごしてくれれば、それが一番嬉しいし、楽しく生きている子は、自分から進んでいろいろなことに挑戦しようという気持ちにもなりますよね。貴重なお話しありがとうございました。
子育てに迷った時は、「楽しく生きているか?」を
子育てをするにあたり、「子どものため」といいながら、勉強の成績やスポーツの勝ち負けなど結果ばかり求めたり、他の子どもと比べてしまったり・・時には、怒りにまかせ、子どもの努力や気持ちも考えずに否定的な言葉をなげかけてしまい、心では、「ごめん」と思っていても、面と向かって「ごめんなさい」といえずにいるといった経験は誰しもあるのではないでしょうか?
自己肯定感を育み、「命の大切」さをわかってもらうためにも、面と向かって思いを伝えることの大切さ、人には、それぞれ得意不得意があり、不得意なことばかりに目をやりいつもしかってばかりいては、子どもは自己肯定感を育めないことを再認識させていただきました。人はそれぞれの生き方があり、それぞれ「生きる道」があるのだと。子どもが、悩んでいたり、苦しんでいたら、また、私たち親も子育てに悩んだら、「楽しく生きているか?」と振返り、一歩前に進んでいけたらいいですね。
岡本さんのこの思いは、群馬と東京を舞台にした7人の男女の若者たちの青春群像劇、映画「青の帰り道」にも描写されています。岡本麻里さん原案の映画「青の帰り道」は2018年12月に公開されました。
岡本麻里おかもとまり
起業家
広末涼子さんのものまねで話題になった元タレントで現在、起業家。群馬県出身でぐんま観光特使も務める。2006年に地方アイドルとしてデビュー後、2008年に太田プロダクションに移籍。ものまね・グラビア活動…
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