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思春期真っ只中の悩める中学生・高校生に、そして、その保護者の方、また、教育関係者に向けて、「講演会のプロが選ぶ!中学生・高校生にすすめたい本」をご紹介いたします。
第15回は、メディアアーティスト、研究者、大学教員などジャンルと国境を股にかけ、他方面でご活躍されている 落合陽一氏著『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』 (SBクリエイティブ)です。
中学生・高校生にすすめたいポイント
「これからの時代はAIやロボットに人間の仕事が奪われる」「今の子供たちの65%は大学卒業時に、今は存在していない職業に就く」といった予測もあるように、これからは将来の変化を予測するのが困難な時代を生きていかなければなりません。
本書はそんな時代を生き抜いていくために、ある程度早くから未来を予測して動き出すための重要性が書かれております。
持続可能な考え方が希薄な日本
皆さんはSDGsをご存じでしょうか?
SDGsとは、国際社会全体で2030年までに持続可能な社会を実現しよう、と定められた開発目標のことです。
そのSDGsに対して、
「現代の日本は持続可能な考え方が希薄になっているのでは?」
ということを著者である落合氏は懸念しております。
SNS上のつながりをひとつの社会と捉えて、みんなが快適になるように努力すること。すなわち、公共に対して社会を守ろうという感覚が我々日本人はもっと強く持つべきであると考えます。
「食品ロス」に関してもその例の1つに挙げられます。日本におけるまだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は約643万トン。(日本国民一人あたりで換算した場合、お茶碗約一杯分に相当)
こういった現実をまずは受け止め、日本という国を世界的な視点で見ること、そして日本人として今後どうあるべきかを深く考えていくことが大切です。
日本は、歴史や文化などの地域的な強みを乗せて戦っていくことが重要
持続可能な社会を作るために、新しいルールで現在、世界は動き始めています。そのような中で、少子高齢化が進んでいく日本はこれからどう世界と戦っていけばいいのでしょうか。
それはアメリカや中国と同じように性能のみを競うのではなく、ヨーロッパが作ったルール、例えば脱炭素のランキングで持続可能な開発のための手法で上位を狙うこと。
その上で、歴史や文化などの地域的な強みを乗せて戦っていくことをこれからの日本、我々日本人は考え続けていくことが重要です。
講演のプロから伝えたいこと
何事にも関心をもち、自分事としてとらえ主体的に行動してほしい
IoTの技術が急速に発展していくことで、5年後、10年後、全く違う世界が待っています。
現代の若者から未来の若者へ次のバトンをつなげていく第一歩は、皆さん自身がSDGsに興味を持ち、あなたたちが作りあげる社会の未来像をある程度持っておくことです。
そして、さらに興味のある分野については、実際に日常に落とし込み、少しでもいいので個人で行動してみてください。
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