オリンピックで金メダルを取った、ある国のレスリング選手が次のように言っていました。
「毎晩眠りにつくとき、表彰台で金メダルをもらっている姿を思い浮かべながら眠りにつくようにしていました。テレビカメラの前でインタビューに答える台詞を考えながら眠りにつくこともありました。それが今実現したのです」
それを聞いて、私は素晴らしい方法だと思いました。よいイメージを思い浮かべながら眠りにつくと、眠っている間中ずっとそのよいイメージが続くことになります。しかも、この選手はそれを毎晩やっていたのです。いつの間にか、この選手にとって、「金メダルを取るのは当たり前」という感じになっていたのだと思います。本人がそう思い込んでいるのは強いです。なぜなら、人生は思い込みで決まるからです。
これは、夢の実現に向けてモチベーションを上げる効果的な方法として、よくビジネス書にも出てきます。
・営業マンが契約成功の瞬間を思い浮かべながら眠りにつく
・売り上げが上昇するグラフを思い浮かべながら眠りにつく
ですから、この方法を子どもたちにも教えてあげるといいと思います。
例えば、今がんばっていることと関連して、次のようなことを思い浮かべながら眠りにつくように教えてあげるのです。
・一輪車チャンピオンになってトロフィーをもらう姿
・サッカーチームのレギュラーになってユニフォームをもらうところ
・書道の二段に合格して喜ぶ姿
・水泳大会で優勝して新記録も出すところ
あるいは、もう少し先の将来に、夢を実現している姿を思い浮かべるのもいいでしょう。例えば、次のようなイメージです。
・プロ野球選手として拍手喝采を受けているところ
・パティシエになって美味しいお菓子を作り上げるところ
・ピアニストになってコンサートで演奏する姿
・お笑い芸人でM1に優勝する姿
・宇宙飛行士になって宇宙を旅する姿
さて、先ほど、「人生は思い込みで決まる」と書きました。ですから、子どもにはよい思い込みが持てるようにしてあげてください。勉強、運動、習い事、そして生活習慣的など、何事においてもです。日頃から、「また○○してない。なんで○○しないの。○○しなきゃダメでしょ」など、否定的な言葉で叱るのはやめましょう。これだと、「どうせボクなんてダメだよ」「どうせ私にはできない」という思い込みができてしまうからです。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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