先月、私は、年上の子と遊ばせようと述べた。子どものやる気や負けん気を引き出すには、もう一つ、「夢友」を作ることだ。
アスリートが一人で自主トレーニングをやるケースは少ない。チームメートやコーチなど複数で合宿に入り調整するケースがほとんどだ。その大きな理由は、一人でやると、「疲れた」「しんどくなった」を理由にすぐ辞めちゃうからである。
このことは、子どもを伸ばすうえでも応用できる。子どもと同じような夢を持った子どもたちと一緒に頑張らせるという環境を作り出しておくのだ。
私がこれまで取材を続けてきた中学受験で言うなら、どこの塾にも通っていなかったという合格者はほとんどいない。彼(彼女)らが塾通いするメリットは、志望校の出題傾向に合わせ、学力をアップさせることができるということだが、それともう一つ、合格という目標に向かって、同じように努力している仲間が得られるということもあるのだ。言うなれば、戦友のようなイメージである。
子ども同士であれば、身近な目標になり、悩みを実感として共有できる。それでいてお互いに「負けたくない」という気持ちにもなりやすい。
勉強にしろ、少年野球やピアノにしろ、いい仲間、いいライバルが存在すれば、何といっても子どものモチベーションが違ってくるので、ママは、子どもと気の合う友だちの中から、これは、と思う子を見つけ、その子のママとも仲良くなっておこう。
わが家の場合も、娘には「夢友」が存在する。
「○○ちゃんは東大狙いなんだって。私も負けたくない」
どこまで本気かわからないが、そんなことを言い始めたのは、自分より成績が上の友だちの存在が背中を押しているのだ。こうなれば、パパやママが口を出さなくても、友だちに引っ張られてがんばるようになるので、親はまず、子どもの「夢友」を作り、あとは、その友情が長く続くよう、そしていい形で反映されるよう応援してあげてほしい。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…