自分に似合う色を見つける時、肌や髪の色とのバランスや相性を考えます。自分の肌や髪が美しく映える色は、自分に似合う色なのです。今回はセルフディレクションのベースである「素の自分を知ること」を学びます。
人間の皮膚や髪、瞳の色はメラニン・ヘモグロビン・カロチンの量によって構成されます。メラニンは2種類あり、黒から茶褐色の色素である【ユーメラニン】と、赤褐色から黄色の色素である【フェオメラニン】の2種類を、人は混合して持っていると言われています。
ユーメラニンで色の濃淡が決まり、フェオメラニンで赤みや黄みの強さが決まります。
ユーメラニンが多いと黒に近づきます。一方、フェオメラニンが多いと赤みや黄みの強い色になりますが、フェオメラニンは濃度が低いと黄色や象牙色になると言われています。
このメラニンの量が髪、瞳、表皮の色を決めます。また、このふたつのメラニンは肌色にも深く関わり、カラーアンダートーンを決める大きなポイントにもなっています。アンダートーンの同じ色は互いを美しく見せ合うと以前にお話しましたが、髪と肌の関係も同じです。
次にヘモグロビン。血液の赤い色素です。血液は動脈と静脈に流れていますが、赤みが違います。酸素を多く含んだ動脈血は赤く、酸素を多く含まない静脈血は赤黒く(青み)見えます。皮膚の色は、この血管の色が表皮という薄いフィルターを通して見えることによって決まります。
そしてこの表皮の色は、先のメラニンとカロチンの量によりそれぞれ違うわけです。カロチンは、アジア民族が多く持つと言われている黄色の色素。主に表皮や角質層に影響しますが、これも個人差があります。
血液の色影響により皮膚の色が青っぽく見えるか、それとも、血液の色よりも皮膚の黄みが強いから黄色っぽく見えるかは、今述べてきた要因から決まります。いつもお話しているブルーベースとイエローベースの肌色の違いも色素に要因があります。
このように元々持っている色素や色彩センスなどが複合的に絡まり合うのですから、結果として「十人十色」になるわけですね。
あなたの色をもう一度調べてみましょう。肌の色はピンクがかっているか、青白いか?瞳の色は緑がかった茶色?それとも赤みの強いブラウン?髪の色は明るい茶色、それとも黒髪?
このメラニンとヘモグロビンの関係で考えてみると、自分色をより正確に知ることになります。
最後に、似合う色の定義をリマインドしましょう。『同じアンダートーンを持つ色同士は、互いを高めあう』
それでは、自分色をもう一度知って誰よりも美しく、春を思いっきり楽しみましょう。
榊原貴子さかきばらたかこ
ファッション&カラーコンサルタント
パーソナルカラ(=個人に合う色)に基づいて、メイクアップからファッションにいたるまで、個性に合わせたパーソナル・ブランディングを提案する。女子プロゴルファーの横峯さくらへのカラーコーディネーションおよ…
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