ポール・オースター原作「幽霊たち」を脚色した舞台を観て来ました。
原作を読まれた方も多いと思いますが、登場人物はすべて色の名前です。
主人公の男性・ブルーを取り巻く謎の男ホワイトとブラック。恋人のオレンジ。師匠であるブラウン。
それぞれが名前と同じ色の衣装を纏い、登場人物の性格を色が強調し、その存在を他の物へと、色連想が誘う。色彩効果の使われた演出はとても興味深かったです。
自分の存在について考えさせられる、そして観る側の意識や感性によってストーリーの変わる、素晴らしい舞台でした。
この舞台に触れ、自己と他者の成り立ち、すなわち自分が今ここにあるために、他人の目(客観)が不可欠であること。他者がなければ、自分の存在は成立しないことを再認識させられました。
セルフディレクションの礎も、そこにあります。素の自分を知り、それを社会や生活にどんな形で適応させていくのか?自分はどのように生きていきたいのか?そして、どう行動するのか。
無感覚でさえある潜在意識をまず「知る」こと。そしてどう向き合っていくのか「見つめる」。
自分を知る、見つめる作業には客観的な視野=他者のような自分の目が必要です。
誰しも「なりたい自分」があるはず。
でも、もしそれが思うようにならなかったり、そこにストレスあるなら、人のせいにしたり、環境を嘆く前に、他者の目になって自分を眺めてみることが必要です、何度も何度も。
その作業を重ねるていくと、「どうなりたいか」が、「どうありたいか」に変わるのだと思うのです。
ちょっと堅苦しいことを書いてしまったかもしれませんね。
いつものように言えば「誰のためでもなく、自分のために美しく楽しく」あるには、自分の視野を少し広げてみましょう、ということです。
もし他者の目を持てる自分があれば、自分で自分をもっともっと磨くことができるのですもの。
原作もぜひ読んでみてくださいね。自分の中の他者の目に気づくきっかけになるかもしれません。
東京公演は終了してしまいましたが、7月5日から全国を巡業されるそうです。
榊原貴子さかきばらたかこ
ファッション&カラーコンサルタント
パーソナルカラ(=個人に合う色)に基づいて、メイクアップからファッションにいたるまで、個性に合わせたパーソナル・ブランディングを提案する。女子プロゴルファーの横峯さくらへのカラーコーディネーションおよ…