ある雑誌が主宰した座談会でママたちが習い事について話しあっていました。
「お宅は、何をやらせたい?」
「私はやっぱりピアノかな。だって、ピアノをやっていると頭もよくなるって言うじゃない」
「うちは将棋にしようかなって思ってる。だって、藤井聡太ってすごいじゃない。それに将棋が強い子って、みんな算数も得意なんだってよ」
「私は体操をやらせようかなって思ってる。内村航平とか白井健三とかすごいじゃない」
「うちはバドミントンか卓球がいいかなって。バドミントンはオリンピックで金メダルだったし、卓球の美羽ちゃん・美誠ちゃんもすごいじゃない」
こんな感じで盛り上がっていましたが、私は心の中でツッコミを入れました。
「え~?何言ってるんですか~?そんなの関係ないでしょ~?藤井聡太とあなたの子ども、一体どんなの関係があるんですか?オリンピックとか美羽ちゃん・美誠ちゃんとか、あなたの子どもと何の関係があるんですか?子ども本人にまったく関係ないところで、お母さんが勝手に頭の中で妄想を膨らませないでください」
そもそも、「○○をやらせたい」という発想が間違えています。これは、親が主人公で子どもは操り人形ということです。それこそ、子どもは将棋の駒で指し手・プレイヤーは親ということです。
もっとあなたの子どもをよく見てください。観察力を発揮してよく見てください。そうすれば、その子がやりたいことや向き・不向きもだんだんわかってきます。
体を動かすのが好きな子。はさみで切ったり糊やテープでくっつけたりするのが好きな子。虫が好きな子。テレビの画面を見て一緒に踊ってる子。積み木やブロックが好きな子。粘土が好きな子。クレヨンで何か描くのが好きな子。
子どもによって本当にいろいろです。その子がいつもよくやっていることが、好きなことであり、向いていることなのです。そこをもっと深掘りできるように応援してあげてください。いつもクレヨンで何か描いている子を、体操教室に連れていってもうまくいく可能性は低いのではないでしょうか?そういう子は、お絵かき教室のほうがうまくいく可能性が高いはずです。
もちろん、100パーセントとは言い切れません。そういう子が体操を始めたらすごく気に入ってはまった、ということもないとは言い切れません。だから、ちょっとしたお試しでやってみるのはよいと思います。でも、うまくいく可能性が低いことは頭に入れておいてください。「始めたからには、やめ癖がつくと困るからせめて○ヶ月は続けなさい」などと、無理強いするのはやめてください。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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