ちょうどお盆休みの時期ですね、皆様、楽しい時間をお過ごしでしょうか。
どんな風に夏休みを過ごしたら、リラックスできますか?休みになるとかえって疲れてしまいます、というご質問を頂くことがあります。
私のお奨めは、夏休みに五感を鍛えていただくこと、です。まずは自分が本当にどう過ごしたいのか考えていただくことから始まります。主体的に時間を使っていただきたいのです。
実はゆっくりと身体を休めたかったのに、なんとなく夏休みにどこも出かけないのもな、と思って無理やり出かけてしまった挙句、どこに言っても混雑ばかり、なんていうことはありませんか。その反対に、思い切って気分転換してどこかに行きたかったけど、予定を決めていなかったので、なんとなくだらだら過ごしてしまった…とか。
同じ行動でも、自分できちんと決めた上での行動と、なんとなく過ごしてしまったのとでは、私たちの身体が受ける結果は全く違ってきます。ここに行ってみたいから多少大変でも決行しよう!と思って過ごした結果が、たとえ混雑だったとしても、行けたことでの満足で、パワーチャージができたりもします。でもなんとなく行った結果であれば、混雑はマイナス要因でしかなく、ストレスを溜め込んでしまう結果に。だらだら過ごしたことも、いつも時間に縛られているから、お休み中は何にも決めずに過ごしたい…と思って過ごしたのであれば、身体を休める良い時間になりますが、何もしなくてもったいなかったな、と思ってしまうのであれば、ストレスが残ってしまうだけに。なので自分がどう過ごしたいのか、きちんと自分の気持ちを意識して時間を過ごしていただきたいのです。
今の私たちの生活って、実は五感を働かせて過ごしている体験が激減しています。簡単に言うと実体験が少ないのです。行ったことも見たこともない場所のこともネットで検索して何となくわかった気になり、全く会っていない人たちにもSNSで見かけたり、メールで連絡を取り合ったりしている間になんとなく用事が済んでしまったり。行ったり、見たり、会って話したりを、実際にしなくてすんでしまう体験は効率的ではあるけれど、自分の五感はどんどん劣化してしまいます。そしていつの間にか実際に体験することが億劫になり、自分は本当は何がしたいのかわからない状態となる。そういったことが進むとうつ病等の原因にもなってしまいます。
五感の劣化は、本当はストレスを感じていたり、満足していないのに、それを敏感に感じることができなくなってしまうものなのです。本来、私たちは上手く説明できないけれども何となく嫌だな、と感じることを避けたり、楽しいな、と感じることにどんどん引き寄せられたり、自分に必要なもの、不必要なものを感じ取る判断能力があることで、上手くストレスをコーピングしています。そのセンサーがきちんと働かなくなることは怖いことです。
日頃から、下記の2点を意識することが大切だと考えます。
(1)自分の感じていることや感覚を意識することを心がける。
(2)頭で考えるだけでなく、行きたい、やりたい、会いたい、と思うことは実際に体験するよう心がける。
この夏休み、まずは“普段会いたいな、と思っているけどなかなか会えていない人に会ってみる”からはじめてみるのはいかがでしょうか。
誰に会いたいか
これは本当に会いたい人をよく考えてください。この人なら暇かな、とか前から会いたいって言われていたから連絡しておこうか、ではだめですよ。自分が本当に会いたいな、会えたら嬉しいな、と思っている人です。
どうやって連絡を取るか
連絡を取るとなると俄然ハードルが高くなってきます。急にびっくりされないかな、会いたいけど太ったな、と思われないかな、など色んな気持ちになりますよね。でもここで諦めないでくださいね。
いつ、どこで、どんな風に会うか、何着ていくか、などなど。
どうしたいか、じっくり考えてみてください。相手と相談されるのも良いですね。
さあ、色んなことを乗り越えて実際会ってみたら、どんな時間でしたか。会えた時の自分の気持ちにも意識するようにしてください。どんな結果であったとしても(スケジュールがあわず会えなかったとしても)会いたい人に会おうとする体験は、緊張や準備も含めてウキウキする体験であったはずです。そして、人に会う体験は、ただ見たい景色を見に行く体験と違って、相手があることなのでドキドキも含めて多少ストレスもあります。でもそれが、より五感を鍛え、人生を豊かにしてくれる体験となります。
もう今日で夏休み終わりだし…という方はまずは連絡を取ってみるだけでも。いつでも会えると思ってもう何年も会っていないなあ…というお友達やお世話になった人、懐かしい方がいらっしゃるのではないでしょうか。思い出しているだけではなくて、一歩踏み出して今までと違う夏にしてみましょう!
渡邊洋子わたなべようこ
公認心理師
大学卒業後、株式会社博報堂に入社し、ラジオ局、新聞局で勤務。ラジオ局ではFM局の番組のスポンサー業務を、新聞局では読売新聞担当として新聞広告業務に携わる。その後出産のため退職し、専業主婦を経験。200…
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