例えば、子どもが洗濯物を取り込んでくれたとか玄関掃除そしてくれたなどというとき、親は「お手伝いができてえらい」とか「約束が守れて立派」などといったほめ方をすることが多いと思います。
このほめ方が悪いというつもりはありませんが、いつもこういう上から目線のほめ方ばかりだと、子どもは「ほめられるためにやる」という意識になる可能性があります。
そこでお薦めなのが横から目線のほめ方です。例えば、「ママ疲れていたから助かったわ」「洗濯物を取り込んでくれたから夕飯の準備がはかどったわ。ありがとう」などです。
これは、一人の人間同士として純粋に感謝する気持ちを伝えています。実はこういったほめ方が子どもにとっては非常にうれしいのです。というのも、自分が役に立てたと実感できるからです。
それによって、「ほめられるため」ではなく「ママのため。家族のため」という気持ちで取り組めるようになります。
そして、この「自分は人のためになっている。役に立っている」という実感は、自己肯定感を高めることにもつながります。
ということで、ぜひ、この「横から目線のほめ方」に心がけてください。そして、これは親子だけでなく、職場において上司が部下をほめるときにも同じことが言えます。上下関係の上から目線でなく、同じ人間同士としての横から目線を常に大事にしてください。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…