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2011年10月05日

シャネルの3885円が教えてくれたこと

 9月になると一斉に秋コスメが発売となり女心はトキメクものですが、ネットショッピングで買えるものも増え、一時の限定コスメブームも一段落しているかと1週目の週末に市場調査を兼ねて、伊勢丹新宿店に出かけてみました。

30分もあれば、ざっと1Fコスメフロアが見られるかな…と駐車場側の入口から入ってみたところ、いきなりシャネルの前に人だかりを発見!近づいてみると、すかさず「お名前おうかがいしておりますでしょうか?」と上品なシャネルユニフォームのメークスタッフから声をかけられ、思わず「まだです」と答えてしまい、新商品紹介の列に並ぶことになってしまいました。

そういえば、このところ、MACのプロショップで、ヘア・メークさんからのおすすめをさっさと買うことが多かったので、ちょっと贅沢な感じの「シャネル対応」にうっとりしてしまったのかもしれません。新商品紹介の順番を待っている間、カウンターの様子を見ていると、次から次へと案内された女性達が、新発売のジェルアイシャドー「イリュージョンドンブル」を買っていきます。続々とSOLD OUTになって6色中すでに2色しか在庫なしのインフォメーションがあっても、さらに列は長くなるばか・・・・・・。

お目当てを手に入れ、スタッフに丁寧に見送られながら、ブランドマーク入りのショッピングバッグ持って帰る女性達は、まるでシャネルブティックを後にするような満足感でいっぱいの笑顔です。でも、私が見た限り、彼女達の服装はカジュアルで、チュニックにレギンスという人も多く、一人もシャネルバッグを持っている人はいませんでした。

これこそ、このところ私が注目している女性のプチ贅沢の現場。シャネルブティックには行けなくても、シャネルのコスメカウンターなら3885円のシャドウひとつでも丁寧な接客を受けて、ラグジュアリーな気分が味わえる。ましてや、新色でチークと口紅、ネイルまで揃えた人は一万円台のお買い物で周りの人に対して圧倒的な優越感を手に入れられるのです。

今、女性マーケットに必要不可欠なプチ贅沢感。それは、シャネルのコスメに限らず、洋服から雑貨まで、ちょっとした贅沢を100円単位、1000円単位で手に入れられるかどうかなのです。

 9月の連休には、早くもユニクロがヒートテックのブラトップを定価1990円のところ1290円で先行販売し、去年買えなかった女性達が「700円もお得!」と言ってまとめ買いしているシーンにも遭遇しました。シャネルなら1000円単位、ユニクロなら100円単位のコスト感にこだわった、ちょっとした贅沢が、不況下でも女性に幸せ感をもたらしています。

食欲の秋本番で、デパ地下からコンビニまで、ワインやパン、お弁当にもプチ贅沢の発見が沢山あります。但し、間違ったコスト感のために廃業となった焼き肉チェーン店の例も記憶に新しいところ。プチ贅沢を実現するために削ってはいけないところを削ってしまって、取り返しのつかない事態を招いた事例は他にもいくつかあります。見えないからこそ恐ろしい!企業の皆様には、プチ贅沢を実現するコスト感のために安全がおろそかになることだけは気をつけていただきたいものです。

中村浩子

中村浩子

中村浩子なかむらひろこ

株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長

大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…

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