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2008年05月15日

心の声を聴く

前回、”心を強くする”(メンタルタフネスを養う)ためには、「突破」と「切り離す経験」が必要だとお伝えしました。そこで皆さんに質問です。

“心を強くする”ために、前に進む気力が今の自分にありますか?

きっと、その気になれない方も多くおられると思います。それは、心の中に嫌なものがたくさん詰まっていて重たくて進めない、といった状態ではないでしょうか。心を強くするために進む前に、自分の中にある弱さを知りましょう。この「弱さ」とは普段、自分がどのようなことでダメージを受けて、そのことでどんな感情を味わっているのか、という意味だと捉えてください。

心の中に嫌な感情や気持ちをため込んでしまうと、それに足を引っ張られ、なかなか前に進めませんし、冷静さや客観性も失います。それに、メンタルタフネスを養うためには、人に言いたいことを言うときの自己表現の仕方を見直すこともしていきます。その場合、自分が普段何を考え、何を感じながら生きているのかを知る必要があるのです。自分の心の声がしっかり聴けないと、自分にとって正しい表現ができないからです。

「こんなことが言いたいんじゃない」、「言っているのにすっきりしない」、「なんでこんな嫌な気持ちになるのかわからない」…このような体験は多くの人がお持ちだと思います。前に進むためまずやることは”心の声”に耳を傾けること、すなわち、自分を理解することです。

では、心の声の聴き方のコツをつかみましょう。「感情ノート」をつくります。ノートを1冊用意してください。今日、自分に起こった出来事を振り返り、そのとき感じた感情や気持ち、言いたかったことをそのノートに書き連ねるのです。誰にも見せないノートですので、言葉は選ばないでください。そして「本音」であることが大切です。汚くて、下品で、幼稚な表現でOK。気持ちよくなるまで、大胆に書き連ねてください。

「ばかやろー」、「うるせー」、「辛いよー」、「ふざけるな」、「うっとうしい」、「悲しい」、「ムカツク」、「情けない」、「がっかり」、「いいかげんにしろ」、「何様のつもりなんだ」、「お前に何が分かるんだ」……

私の人格を誤解されると嫌なのでこの辺にしておきますが(笑)、これよりもっとひどい言葉でもいいのです。出てくる言葉は汚くても、感情には汚いも悪いもありません。感情は、感情でしかありません。 どんな感情をもってもいいのだと、自分に許してください。他者への表現の仕方には配慮が要りますが、自分の心の声を聴くのに遠慮はいりません。

ちなみに、私も時々やりますよ。イライラしたり感情的になったときに、さっとメモとペンをとり、感じたままを書きなぐります。ちょっとここではお伝えできません。それくらいひどい言葉ですから(笑)。筆圧も強くて、紙が破けそうなるときもありますが、それくらい強い感情を吐き出しているのです。 「心のデトックス」といったところですね。 これは、心理学的には「カタルシス(浄化)」と言います(心の中に抑圧した不快な感情を意識化に上らせて処理すること)。感情ノートで問題が解決するわけではありませんが、少なくとも心がすっきりとし、軽くなります。心がすっきりすると頭も冴えてきて、感情がため込んだままになっているときよりは、よほどまともなアイディアや考えが浮かんできます。前に向って進む気力が湧いてくる感じです。

騙されたと思って一度やってみてください。続けているうちに、いったい自分が何に反応し、どういう感情をもち、なぜそう感じ、どうしたら今後は味あわなくてすむのか、が発見できます。何があなたのストレスになっているのかに気づくだけでも、心を強くするための材料が得られ役立ちます。

そうそう、ノートはくれぐれも誰にも見られないよう保管くださいね!

岩井結美子

岩井結美子

岩井結美子いわいゆみこ

株式会社コンシャスインターナショナル代表取締役

営業、人材教育、コンサルティングとさまざまな現場での活躍から心療内科の心理カウンセラーへ転進。カウンセリングの現場で女性患者へメイクを施したことで、心理的な問題の解決につながったことをきっかけに、メイ…

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