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2006年10月01日

セルフプロデュースⅢ オンとオフの使い分け

「オンとオフを使い分けられる人」。なにやら大人の雰囲気を醸すこの言葉の響きに、私も「使い分けられる人」になりたいと、いつからか、思っていました。遊びも一生懸命、仕事をさせればきっちりこなし、あらゆることに精通していて、持っている情報が多い分、会話まで面白い。こんな人、格好いいじゃないですか。

以前に書いたかもしれませんが、私の持論として、「自分でイメージできないものには絶対に到達することはない」というものがあります。ですから私は、格好いい大人=オンとオフが使い分けられる人、
を細部に渡ってイメージすることが多かったように思います。イメージがリアルであればあるほど、イメージにつながる情報が多く得られるので、小さい頃から私は周囲にいる大人をよく観察しました。しかもそうすることが面白くて仕方がありませんでした。

幸いなことに、私の周りにいてくれたいわゆる大人の人は格好いい人ばかりでした。観察する中で、私がたどり着いたある一つの結論は「これだけは譲れない」というものを持っていること。その譲れないものに向かうときには、そこに一切妥協はなく、貫き通す強い意志が見えます。でも、頑なに守るだけではなく違う意見があれば受け入れる柔軟性も併せ持ちながら。

結局はオンのときでも臨機応変な対応が求められる訳で、自分の譲れないものは譲らないけども、自分軸で物事を図にしたときに優先順位が下位の方のものを上手く取捨選択しながら進めていくバランス感覚が必要だということです。そしてオフのときに、その取捨選択の幅を広げる行動を取る、ということでしょうか。

心から楽しいと思えることを、思いっきり心を開いて楽しんで、自らもっと楽しめるように「楽しい」の感度を上げると、オンのときに精神的な行き詰まりを感じてしまったときでも、その中に楽しいと思える要素を見つけることができるのです。

選手の時に、「自分はもう限界だ」と思うことがありました。この弱くなってしまった心をどうにか奮い立たせてやり続けなければならないときに、この「楽」の感情を苦しさのどこかに一つでも見つけられないと人は前へ進めないことに気づきました。

だから、何でもいいから気づきたい、少しでも気持ちが上向きになれることを探したいと自分を見つめ続けると、ふとオフの過ごし方にヒントを得たのです。人に迷惑をかけることはもちろんない範囲ですが、自分の心が欲する行動を心の赴くままにするように心掛けました。

私は、人と話すことが好きです。美味しい食事をすると心が満たされます。泣きたい気分のとき、ヒューマンをテーマにした映画を観ます。寝たいときにすぐに寝られると幸せです。コンビニにいくとわくわくします。ささやかでいいんです。心が健康になることを全部します。そうすると、オンのスイッチが入ったときに全開で発進できるのです。

前回の武田ビジョンでも書いたように、私はシンプルなんです。その方が楽しいとか、嬉しいとか前向きな気持ちに敏感になれる気がします。

つまり、私のセルフプロデュースは「心地よくて自然でいられる自分だけの頑張り方」を知ることで形作られています。皆さんも、ちょっと探して見てください。

武田美保

武田美保

武田美保たけだみほ

アテネ五輪 シンクロナイズドスイミング 銀メダリスト

アテネ五輪で、立花美哉さんとのデュエットで銀メダルを獲得。また、2001年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点に。オリンピック三大会連続出場し、5つのメダルを獲得。夏季五輪において日本女子歴代…

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