そんなの簡単。感謝の気持ちを忘れないこと。と、言うと、「ちゃんといつも感謝してます」なんて言葉を返したい人もいるはず。でも、相手に感謝していることが伝わっていなかったら意味がない。そこで、ちょっと、一日何回「ありがとう」を言っているかを考えてみて。わたしも含めて、結構言ってないかも。
「ありがとう」を言われて不快になる人は、まずいない。そして、「ありがとう」が、ちゃんと言えるだけで、可愛がってもらえたり、引き立ててもらえる確立は、ぐっと上がる。最初は、計算ずくの「ありがとう」でもいい。自分のための「ありがとう」でいい。とにかく、この言葉を笑顔で言い続けてみるといい。不思議なもので、本当に感謝の気持ちができてくる。そして、いつのまにか、良い人間関係を生み出しているはず。
実際、わたしの周囲でも、成功している人、活躍している人は、よく「ありがとう」を使う。かつて、吉本興業のマネージャーをしていたわたしは、ビッグタレントにもかかわらず、下々のわたしたちスタッフに「ありがとう」を言ってくれる姿に感動した。
スポーツのヒーローインタビューを見ていても、みんな、「ありがとうございました」という言葉を使う。そう思って人を見ていると、「ありがとう」こそ、魔法の言葉に思えてくる。
禁句なのは、「○○してあげたのに」。誰かに何かをしてあげたら感謝されたいのは当たり前。言いたくなる気持ちも分かる。でも、この言葉を言ってしまったらおしまい。
27歳から36歳までベンチャーの社長をしていたわたしは、よくこの言葉を使った。ベンチャー企業だから、社員の出入りは、激しかった。だけど、自分が、やっと仕事を教えた社員に辞められるのはつらい。
つい、「あんなにあの子の面倒を見てあげたのに…」と、ぼやきたくもなる。今から考えたら、そんな社長に誰も付いて行きたくなくて当然である。人には、感謝しなければならないけれど、人に感謝を求めると、なぜか、人間関係っていきなりうまく行かなくなる。
人のために何かできる自分に感謝しろということみたい。だけど、わたしだって、ただの人間である。しかも、煩悩の塊みたいな人間である。つい、人には、何かしてもらったり、感謝してもらうことを求めてしまう。そのくせに、人のために何かしたり、「ありがとう」と感謝の気持ちを持つことを忘れてしまう。言ってることと、やってることが違う典型である。
だからこそ、「ありがとう」と感謝する気持ちを忘れないように、毎日「ちゃんと、『ありがとう』って言ったかなあ?」と、自分に問いかけている。「あれっ、今日は、ほとんど言わなかったわ」と、気がついたら、無理やりでも、誰かに「ありがとう」のメールを送ったり、誰かに言うようにしている。
人間関係を良くするコツに「これ」という特効薬なんてない。感謝するという当たり前のことをお互いに忘れないこと。今日も「ありがとう」の気持ちで行くぞー。と、自分に誓うこと。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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