私の周囲のOLやビジネスマンはよく、「お金持ちになりたい!」なんて叫んでいる。でも「お金持ちになって、何するの?」と尋ねると、大抵、「フェラーリに乗りたい」とか「ヨーロッパ一周したい」とか、そんな答えばっかり。ある経済学者に言わせると、こういうのを「貧乏人」と言うらしい。
どういうことかと言うと、「貧乏人は欲しいものがある。でも、本当の大金持ちになると、全部持っているから、欲しいのは株と不動産くらいだよ」ということらしい。あとは「名誉」かもしれない。そう言われると、わたしも貧乏人のひとりだと納得。
でも、別に不動産も株もそんなに欲しくない。飢饉でも来ない限り、わたしが一文無しになっても、農業している仲間が米くらい送ってくれるだろうし、沖縄に行って自然に出来てるニガウリと食べててもいいや…くらいに思っている。
実際、周囲の友人には、「わたしが事業に失敗して一文無しになったら、一年に一日ずつ面倒見てや!」と、300人くらいに声をかけてある。チャップリンじゃないけど、「良い友人と、いくらかのお金があれば幸せ」だと思っている。
だからといって、今から仏様のような生活をしているわけでもなく、貧乏人のひとりとして、「あれも欲しい」「これも欲しい」生活をしている。でも、欲しいものがあるから楽しいし、生活に張りがある。「これだけ頑張ったら、自分にご褒美でエステに行くぞー」と、こんな感じ。
そして、その経済学者、こんな話もしてくれた。「お金持ちになった人がみんな幸せそうな顔をしているかと思ったら、そうじゃないんだよね。セキュリティばかり気にしていたり、あんまり楽しそうじゃない人、いっぱいいるんだよね」。わたしの友人で、数千億のお金のファンドマネージャーをしている男性がいる。彼が、「僕は数々のお金持ちを見て来たけど、大谷さんを見ていると、つくづく、ドキドキ、ワクワク、楽しく生きてるって大切だなあ・・・と、思うよ」と言ってくれた。
正直、わたしは、煩悩の塊。欲しいものの無い人生なんて考えられない。愛情も欲しいし、友情も欲しい。笑顔も欲しいし、感動も欲しい。それらが無かったら、生きてる意味ないやん!でも、つくづく、これらって、お金だけじゃ買えないんだよなあ。永遠に追いかけなきゃならないかも。とはいえ、欲しいものがあるから楽しいのも事実。まっ、わたしは、一生、元気で明るい貧乏人の代表でもいいか。
「お金持ちになったら何が欲しい?」楽しく考えられるうちが、お互い幸せですね。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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