講師育成のための「講師塾」というのを企画している。いろんなコースがあるけれど、基本的には、講師のネタ探しから、講演内容作りからプロフィールの作成までわたしたちが手伝ってやる。不定期に開催しているけれど、この講座が結構人気。講演の仕事をされている人だけじゃなく、会社の取締役から、そこそこ有名な作家さんに、労働組合の役員まで参加される。基本的には、話す機会の多い人が多い。
誰だって、頼まれて講演を引き受けても、聞き手がめんどくさそうだったり、眠たそうならつらい。そして、寝られたりしたら、もっとつらい。そんなこと、前で話している本人が一番分かっている。逆に、誰でも表情が明るくなって、元気になって帰ってくれたら嬉しい。そして、今まで、「日本人は、スピーチが下手だから…」と、言い訳してきたけれど、「ちょっとでも、人をひきつけられるなら…」ということで参加される。
結果、「一日でこんなに変われるんだ」と感動されて帰って行かれる。誰でもというわけにはいかないけれど、大抵、講演を頼まれる人は、講演を頼まれるくらいだから、経験や知識などのコンテンツは持っておられる。ただ、講演のプレゼン力が足りないだけで、これは完全なスキル。スキルの中に自分の体験を上手く盛りいれるだけで、相手の興味を引くことができたり、ちょっと事実を誇張するだけで「笑い」が取れたりする。
なぜ、わたしがこんなことを始めたかというと、わたしは、別に講師でも何でもなかった。それどころか、元々プランナーでイベンターで、今でもプロデューサーであり続けたい。なのに、「事例を話して」など、講演依頼がひっきりなしに来る。「なぜ?」と、思ったところ、日本には、「楽しくてためになって、元気になる」話をできる講師が少ないということに気づいた。でも、みんな、わたしよりキャリアも知識もある。もったいない。で、1人でも多く、「忘れられない講師」を作ることに目覚めた。
だって、講師の責任は重大。特に、新入社員などで初めて講演を聞きにきたメンバーは、その講演によって、「めんどくさい」となるか、「学ぶって、意外と楽しいかも…」となるか、その後の人生まで変わってくる。だからこそ、「講師」を引き受けた人は、ちょっとでも、プレゼン力をアップさせて、人に火をつけて、「忘れられない」講師になって欲しい。
2007年、わたしは、その手伝いをいっぱいしたい。そして、私も「忘れられない講師」になるために「楽しくてためになって、元気になる」話を少しでも多くの人に出来たら、と思っている。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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