東京に移って一年半。自分で講師を務めるだけでなく、最近は講師を育て・磨くことも役目になってきた。 スタッフからのリクエストで始めた「講師塾」。2年の間に受講生は延べ200人を超え、なぜかリピーターも多い。
わが社の講師陣も含め、メッセージを伝えたいという人に、いつもアドバイスしていることがある。それは、「ストーリーを作る」ということ。理由はカンタン。ただ知識を並べるよりも、ストーリーの上に知識が乗ると、人の頭に入りやすいから。
たとえば、「人の話を聞くことが大切」と、言うのは簡単。誰だって言っているし、わかっている。実際、「人の話を聞きましょう」と言っても、みんな忘れる。その話の中に、「なぜ、人の話を聞くことが大切か」「人の話を聞かなくてこんな失敗をした」などのストーリーが入ると、聞いている人たちの印象に残る。
「なぜ、講師になったのか?」「講師として何をメッセージしたいのか?」
最低限、これを語れないなら、講師をする資格はないよ…と、わが社の講師陣には伝えている。
昔の人は、「俳句」を作って、短い言葉で状況や情景を表現する訓練をしていたそうです。
「例1)戦国時代の武将は、戦場で手短に指示を伝えるために日頃から俳句をたしなんでいた…。」などと聞くと、「俳句」というものの意味がまったく違ってくる。
たまたま、この話を聞いた時に、「学校で教えてくれた『俳句』も、時代背景やストーリーを交えて教えてくれたら、もう少し興味が持てたかも…」と、感じた。必死で丸暗記するよりも、「俳句」を作るということに意味があったんだ。これを知っていたら、国語の授業、もう少し楽しめたかな。(笑)
売れ続けている商品には、ストーリーがある。たとえば、書類を立てるシスボックスを開発した文房具の会社、セキセイ株式会社の西川雅夫社長。書類が机の上に山積みになっているのを見て、「なんでやねん?」「これが立ったら、机の上が整理整頓できるのに…」と発想し、ヒット商品の開発につながっていった。このように、開発秘話などの「ストーリー」が見えると、モノづくりの楽しさが自然と伝わって楽しくなってくる。
「ミシュランガイド東京」をやっと、手に入れた。この本、何がおもしろいかというと、ただの美味しいレストランが並んでいるだけじゃなく、それぞれの店にストーリーがある。こだわりのストーリーや、店の歴史、建物の歴史など「ストーリー」に惹きつけられる。
人は、誰でもストーリーを持っていると思う。そのストーリーを紐解いて行くと、そこに「価値観」や「こだわり」が見える。その「価値観」や「こだわり」が見えるとぶれなくなる。
年も改まって「2008年」。ぜひ、自分のストーリーや自社のストーリーを見直したり、作ってみることを、おススメします!
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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