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2012年02月10日

ニューヨーカーの声の大きさから”人間のエネルギーの源泉”を考える

ニューヨーク・マンハッタン島は、昔も今も、意気揚々とした実にエネルギッシュな人々で溢れています。日本人観光客がニューヨークを訪れ、現地でまず最初に受ける印象といえば、その一つは、「ニューヨーカーの声は実に大きい」ということではないでしょうか。

ではここで、改めて、「どうしてニューヨーカーの声は大きいのか」という問題について考えてみたいと思います。この問題を考えるとき、多くの日本人が、「ニューヨーカー、いや、そもそも、大抵のアメリカ人は体が大きいから声に迫力があるのではないか」と考えるのが一般的ではないかと想像します。しかし、実際、彼らの声が大きいのは、単に、体のサイズが大きいからではありません。

概して、「ニューヨーカーの声が大きい」という様相には次のような要素が内在しているといえます。

<1>
地理的に言うならば、ニューヨークという場所自体、”多民族国家アメリカ”の象徴を表すかのように実に様々な民族・人種・文化・価値観等が交錯した場所であるため、そこに住む人々においては、常に、「一個の固有の人間」として自分をダイナミックに表現する必要性がそこに存在する。

<2>
「一個の固有の人間」として自分をダイナミックに表現するには、自分なりの、「頗るエネルギッシュな言語表現方法・振舞い方」が必要となる。

<3>
アメリカ社会、とりわけニューヨーク・マンハッタンは、自他共に認める”世界一の競争社会”である。「一個の固有の人間」として世界一の競争社会で生き残るには、確固たる意志、そして、相当なるエネルギーが必要となる。そうした要因の下、そうした場所で毎日を生きるニューヨーカーの”心の奥底”においては、常に、”生き残り”をかけて「一個の固有の人間としての”炎”」が燃え続き、個々のニューヨーカーの声にエネルギーが注入され、「声」そのものにダイナミックな迫力が生じてくる。

ここで、読者の皆さんにおいては、ニューヨーカーの声の大きさは「怒鳴る」行為とは根本的に異なる行為であることを理解する必要があるでしょう。そもそも、(1)「大きな声を出す」という行為と(2)「怒鳴る」という行為は全く異なる行為です。ニューヨークで、社会規範に基づき”健康で文化的な生活を営む人々”においては、大きな声を発するその理由は、実に、「個としての自分を表現する」という基本スピリットにあります。「大きな声を出す」という行為は、決して、「荒々しく他人を威嚇する目的で”怒鳴る”」という非理性的行為を指すものではありません(このことは、言うまでもなく、クイーンズ区やブルックリン区等におけるスラム街などで、一部の貧困者層がスラングを用いて怒鳴るその行為とは全くべつの様相として捉えるべき問題です)。

ニューヨークにおいて”健康で文化的な生活”を謳歌し続けるには、(1)「”強靭な”生きる意志」、そして、(2)「世界一の競争社会で生きていくための相当なるエネルギー」が必要となります。そして、そこで生きる人々においては、迎える一日一日が、言うなれば、ある種の”サバイバル闘争”そのもの。ニューヨーク、とりわけマンハッタン島には、まさに、すべてのニューヨーカーにとっての「一個の”生”を全うするための”rational arena”(理性的”生”を全うするための競技場)」がそこにあるのです。

ニューヨーカーが備える「一個の固有の人間として”生”を全うするためのエネルギー」、…今、私自身が考えることは、日本でも是非、日本経済を支える多くのビジネスパーソンの方々にこの力強いエネルギーを感じ取っていただき、迎える一日一日において精力的にビジネスに取り組んでいただきたいということです。

結局のところ、人間のエネルギーの源泉は、「地球に存する一人の人間として、自らの”生”を全うしたい」という”強い願望”から湧き出てくるものだと私は考えます。今、近未来における日本経済の行く末を推察したとき、この日本においても、日々、「”個”としての熱いエネルギー」を持った人々が少しずつ増えていくことを願うばかりです。

生井利幸

生井利幸

生井利幸なまいとしゆき

生井利幸事務所代表

「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…

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