私は28年間飲食業に携わってきたが、その間の経営を振り返り一言で言うと、順風満帆としか言いようのないほど、毎期右肩上がりの経営を続けることが出来た。勿論、会社は毎期順調に発展していても、日常においての小さな問題は”モグラ叩き”状態で苦労の連続であった。私は能力が無かったがゆえに、我が人生を仕事・経営に捧げ、没頭してやり続けることが出来たのだろう。常に明確な目標があり、前向きで居られた。またその目標を達成し続けた結果として、毎期増収増益決算となり、社員を始め、期待してくれる多くの方々に応えることができたと思う。これは経営者として、個人的な欲求を満たすことより、比べようの無いほど嬉しいことだった。
経営者時代、日々新たに発生する大・中・小の諸問題の中でも、”人”つまり社員に関わる問題が最も多かった。超売り手市場の中での極度の採用難、定着率の悪さ、社員教育や能力向上の問題、店長及び中間管理職の質的問題、人材難のため、したくても出来ない信賞必罰人事等々。
そうした問題に対し、まずは私自身が率先垂範、現場主義を貫いてきた。会社の発展と共に社員との信頼関係を強固にすること。具体的には、社員独立制度の実績を上げること。社員の目標を明確にし、意欲を高めること。採用活動にも繋がるようにと、早期の全国47都道府県への出店戦略を立て、採用効果を向上させる等々によって、その時々の厳しい局面を乗り切ってきたのだ。勿論、その折々で役員、社員の奮闘があったお陰というのが一番である事はいうまでもない。
だが、人材に関する問題は尽きることがない。人材もABC分析すれば、3つに分類できる。まずはAランクの人財だ。会社の成長発展を牽引してくれる2割の人達である。Bランクの人材は、在籍する人在。言われたことをしてくれるタイプの人が6割。そして、本当はゼロにしたいのだが、必ずいる業績の足を引っ張る人材。人が罪となってしまう人罪だ。
私も現役社長の時は、Bランク社員に対して、「なぜもっと必死で頑張らないのか」と言い、またCランク社員には、「今のまま、店に居てもらっては困る」と言い続け、常に問題視し、ストレスを感じていた。経営から離れた後思ったことは、会社が成長、発展するには、ここでいう2割のAランク社員、つまり”人財”(まさにこの社員は財産である)が居てくれれば上手く行くということだ。事実、実際に居てくれたからこそ、順風満帆と言える経営が出来たと確信している。
宗次徳二むねつぐとくじ
カレーハウス CoCo壱番屋 創業者
生後まもなく孤児院に預けられ、3歳で「宗次」姓の養父母に引き取られる。養父のギャンブル狂によって各地を転々とし、養父母の離婚の後は養父と2人、生活保護を受ける極貧の少年時代を過ごす。 自ら学費を稼ぎ…
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