3月下旬は新学期や新生活に向けて様々な準備に追われるものですが、昨日韓国から戻ったばかりの40代の女性社長は「顔準備OK!」のタイトルで、空港で撮った写メを送ってくれました。セルフプロデュースにぬかりのない彼女は4月からの新年度に向けて、韓国の整形事情でも最先端と言われる「フェイスライン」にチャレンジしてきたようです。
こめかみあたりを塗りつぶす感じで、顔まわりに影のようにアートメークで墨を入れて、以前よりひと回り小さい印象の小顔を実現。さらに、ヒップの脂肪をおでこに注入して額にハリと高さをつけることで、可愛さも倍増したとのこと。
届いたメールにもう一枚、添付の写真があったので「フェイスライン」施術後の横顔かと開けてみると、今度は息子とのツーショット写真で「このコもやっちゃいました。カッコイイでしょ!」とまさかのW整形報告。この春から大学生になるので、今どきの韓流アイドル風の眉と額にしてもらったというのです。
韓国では、お誕生日や記念日に母と娘で整形をプレゼントする週間があるとは聞いていましたが、もはや、母親が息子に整形を勧める時代になっていたとは…。当然、息子は「ママ嫌だよ」と抵抗したらしいのですが、「カッコ良くなきゃ損なのよ」の一言で、改造?されてしまったようです。
韓国生まれの彼女にとって、整形は隠すことではなく、富裕層としてのステイタスでもあり、最愛の息子にも手をかけていることを、ちょっと自慢に写メで送ってくれたに違いありません。
お国のビューティ事情は違っても、今、日本でも男のコの「見かけ」はますます重要になってきています。コスメで売上を伸ばすニキビ治療のプロアクティブのコマーシャルに、ジャニーズのタレントやプロの若手サッカー選手が次々と起用されるのも、キレイな肌は女のコだけが目指すものではなくなったということの現れでしょう。
就職難の時代に、資格やスキルでかなわなくても「見かけ」がひとつの武器として通用するなら磨かなきゃ損。ビューティ事情に詳しく、美しくなるための投資をおしまないアラフォー世代のママ達が、近い将来、息子と連れ立って美容医療系の皮フ科や歯科に通う姿が目に浮かびます。
「男も美しい方が得」女性が本気でそう思うようになったということが、男のコ達の意識を変え、積極的に美しくなることにお金や時間をかけるビューティ男子を生んでいるのだと思いました。
中村浩子なかむらひろこ
株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長
大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…