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生まれ変わった産廃会社 ~奇跡の企業再生物語『五感経営―産廃会社の娘、逆転を語る』より~

環境破壊や気候変動による気象災害が問題となっている昨今、現在の消費活動が続くと、2030年には地球2個分の資源が必要とも言われ、地球環境が危惧されています。地球環境が適切に保たれていなければ、そもそも私たちの安全な生活は保障されません。そのため、国連加盟193か国では、SDGsの達成を目標に掲げています。

人類の未来を左右する重要課題SDGs。日本においても、目標達成のため、企業や個人など、各ステークフォルダーが問題解決に取り組む必要性を感じ始めてはいるものの、どのように取り組んでよいのかわからないといった声が多数あるのも事実です。

今回は、SDGs達成に向けて取り組む企業様のヒントとなるよう、SDGsの中でも、環境問題の課題解決に大きく貢献している石坂産業株式会社様の取り組みをご紹介させていただきます。

SDGsやCSVの分野で注目を集める石坂産業とは

石坂産業は埼玉県三芳町に本社を置く産業廃棄物処理会社で、SDGsやCSV(事業の発展と社会への貢献を両立させる企業の取り組みのこと)の分野で注目を集めています。それは一体なぜなのか。現社長である石坂典子氏の著書『五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る 』 (日経BP)をもとに、紐解いていくことにしましょう。

『五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る』(日経BP)

「ゴミにしない技術」で2017年には、減量化・再資源化率95%を達成!

石坂産業は焼却ではなく、分別・分級よってごみを再資源化する産廃業者です。「ゴミにしない技術」で2017年には、減量化・再資源化率95%を達成。現在は、“本気”で、100%を目指しています。(分級:大きさや密度などを基準に粒子を分別すること)。

産廃処理のみならず、循環型農業に発展し、第6次産業を展開中

また、産廃処理だけでなく、地域の里山保全に早くから着手し、それが今では循環型農業に発展し、第6次産業を展開するに至っています。

里山にはカフェ、レストラン、アスレチックパーク、収穫ができる体験農園などがあり、本社の敷地はさながらテーマパークのよう、とのこと。因みに、本社敷地を全体でみれば、約9割が森林(東京ドーム3.8個分)とのことですから、驚きです。ここを一般公開することで、ユネスコなどが主導する「持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)」の場としても活用しています。

石坂産業の転換点

事業の大転換のきっかけとなった「有害物質の発生源」という汚名を着せられた過去

今でこそ環境に配慮し、地域から愛される企業になっていますが、ここに至るまでには、事業の大転換を迫られた大きなきっかけがありました。

時は2002年頃、ダイオキシン問題がメディアでも大きく取り上げられました。そのような中で、石坂産業は「有害物質の発生源」という汚名を着せられ地域住民の激しいバッシングを受け、廃業を求める行政訴訟まで起こされてしまったのです。

「地域に必要とされない仕事をしても仕方ない」という思いから、それまで会社の売り上げの約7割を占めていた「焼却事業」をやめ、「減量化・再資源化のみに注力」するという事業の大転換を図りました。

売り上げの7割を見切るということは企業にとっては死活問題です。そこまでして生き残りをかけた改革を断行することができたのはなぜなのでしょうか。

ゴミをゴミにしないリサイクルの必要性

そもそも創業者・石坂好男氏(石坂社長の実父)が、事業を始めた動機は、東京湾近くの埋め立て地がトラックでごった返す光景を見て、日本の将来に危機感を感じたこと。そして、ゴミをゴミにしないリサイクルが必要だと考えたことでした。

環境問題に対する意識の高さ、社会奉仕の心、絶対必要な産業というプライドからなされた改革

そして石坂社長は、ダイオキシン問題の最中、こう思っていました。
――地域の人たちは産廃業者を悪者だと主張するが、そもそも人が生きている以上、生産活動を行っている以上、産廃業は必要不可欠であるはずなのに、自分たちもごみを廃棄しているという事実には目も向けていない。しかし一方で、「汚れた廃棄物」が発生してしまうというのも事実。――

改革の断行は、石坂好男氏、石坂社長による、環境問題に対する意識の高さ、社会奉仕の心、そして、世の中に絶対必要な産業に携わっているというプライドによって成されたとも言えるのです。

石坂産業の挑戦

「産廃処理と里山保全の現場を持ち、環境教育に取り組む石坂産業」という会社のブランドイメージの確立

石坂産業は、現在、「産廃処理」と「里山保全」を、「環境教育」というキーワードでつなぎ一本化するという挑戦を始めています。それは“産廃処理と里山保全の現場を持ち、環境教育に取り組む石坂産業”として、会社のブランドイメージを高めることが、結果として産廃処理の現実を知ってもらうきっかけになるのではないか、ということを期待しての取り組みです。

SDGsやCSVを考えるヒントに

まず事実を知ることから

近年、環境問題に対する企業の役割や責任はますます重要視されてきています。その中で私たちが最初にできることは、まず事実を知るということではないでしょうか。 本書は、SDGsやCSVを考えるとき、一つの答えとして、参考になることは間違いありません。

  • 『sdgs』

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