戦場で暮らしている子供たちと触れ合う兵士の姿が忘れられません。武器を持ち防弾チョッキを着込んだ強面の兵士たち。彼らにも祖国に残してきた家族、そして子供がおり、戦場で出会う同世代の子供を目にすると自然と笑顔になり手を差し伸べていました。戦場で戦っている兵士たちの年齢は20代が多く、若い兵士は17歳という青年もいました。彼らの感覚はいまどきの若者そのもの。武器をおいて、防弾チョッキをぬげば、ゲームや音楽、インターネットを愛するどの国でも目にする若者たちでありました。
「イスラム教の方々やアフガニスタンのことは、兵士としてこの国にくるまで出会ったこともなく、アフガニスタンの首都さえも知りませんでした。」こんな声を兵士から何度も耳にしました。アフガニスタンの復興を進めていくこと、そして兵士として任務を遂行して家族を養っていくこと。彼らの表情には、家族想いの暖かさと優しさがにじんでいました。
戦場という極限の中に立たされることで、気持ちを保つことが出来なくなる若者たちもたくさんいます。最前線のキャンプ地にはインターネットや電話が備え付けられていて、入り口には家族と連絡を取り合う兵士たちが行列をつくっていました。パソコン画面にうつしだされる子供の顔をみつめながら涙ぐむ兵士たちもいました。戦場で戦う兵士とはいかなる状況でも兵士としての振る舞いを保っていかなければなりません。日々、極限の圧力にさらされている状況のなかで、家族の声を聞くことで、大きな力がわいてくる。どの兵士も軍服のポケットに家族写真を入れていたのが印象に残っています。
どの国でも戦争を望んでいる人はいません。国益という大義で、一部の方々が戦争を引き起こし、利益を手にしている。その戦争で犠牲となっていくのはいつも子供たち、そして戦場に引き込まれていく最前線の若き兵士たちでありました。兵士たちの声が聞こえてくる。「なんとしても生き延びて祖国戻ります。家族のもとで穏やかな時間を過ごしたい。」アフガニスタンで活動する兵士たちの想いがこの言葉に凝縮されていました。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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