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人生最大の危機を教えてください。
以前、デザイン会社を経営していたときのこと。もともと私はコピーライターとしてフリーで仕事をしていましたが、依頼の幅が増えるにつれてメンバーが増えて10名ほどの会社組織になっていきました。ページ単位の仕事から、雑誌1冊すべてを請け負うなど、業績も順調に伸びていました。
しかしあるとき、制作を担当していた月刊誌が次々と廃刊になっていったのです。いわゆる出版不況の時期でした。月々の仕事がなくなると一気に経営が苦しくなり、どんどん追い込まれていきました。毎月の売上が大きかった分だけ、それを失うと落ちる速度も速かったです。そのとき「倒産」を覚悟しました。
その時のお気持ちを教えてください。
なんとかしなければと焦りました。それまでは営業しなくてもなんとなく仕事が入っていたので、率先して売り込みをする習慣がありませんでした。もともとは営業マンでしたが、性格的に押しが弱くて苦手意識が強かったのです。
それでもやらなくては社員に給料も払えなくなる。その葛藤に苦しみました。やりたくないことをやってまで会社を維持しなければならないのか?それとも何もせずに黙って会社がつぶれるのを待つのか?悩んでいる時間もないので決断を迫られていました。
危機とどのように向き合い、乗り越えたのですか?
最悪の場合つぶれるとしても、最後にやることをやっておこうと思いました。開き直ると案外冷静に考えることができました。
これまでは、紹介を受けたときはほぼ100%受注できていました。ただ、今からそれを待っても間に合いません。そこで、紹介されたときと同じような状況を作れないものかと考えたのです。本屋に行ってヒントとなりそうな本を買い集めました。
そして、新規のアポを獲得するための手法を考案しました。電話とFAXを併用したこの手法で、会社は見事に復活。強引に売り込まないので、私の性格にもマッチしていました。さらにいつでも新規営業ができる状態になったので、その後の経営も安定しました。
また、そのアポ取り法(TFTアポ取り法と命名)を解説したビデオを販売することで、現在の営業コンサルタントへの転身のきっかけにもなったのです。
最大の危機に直面したご経験から、どのようなことが得られましたか?
当時は本当にきつかったですが、結果的には新しい営業手法を手に入れて、それが次なるビジネスにつながりました。ゆるゆると流されながら仕事をしていたままでは、次へのステップなど考えることもなかったでしょう。
その意味では、当時の自分にとって必要なピンチだったのだと今になって思います。
また、あの経験をしたことで、危機に直面しても解決方法を見つければいいという思考に変わりました。
最後に、人生の危機に直面している人へ向けてアドバイスをお願いします。
ピンチは誰にでも訪れるものです。そしてその都度、自分の欠点に気づかせてくれるありがたい存在です。「このままでは危ないよ」と知らせてくれる合図でもあります。
危機に直面しているときというのは、それが永遠に続くかのように思ってしまいがちですが、過去を振り返ってみても、ほとんどが一時だけのことでした。
危機は、自分をさらに強くしてくれる試練だと思うと、案外ラクに乗り切れるものですよ。
渡瀬謙わたせけん
有限会社ピクトワークス 代表取締役
幼少期から口下手、人見知り、あがり症の性格。大学卒業後に精密機器メーカーの営業に従事。その後リクルートに転職し、入社10ヶ月目にして全国営業達成率トップになる。そこで、営業は精神論よりもきちんと体系立…
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