目次
大学の講義をzoomを使いオンライン配信している様子
みなさま、本日も、連載コラム『ウェブマーケティングに強い社員の育て方』の第10回記事ページにアクセスいただき、ありがとうございます。
主にウェブマーケティングのクライアントワークや、「テクノロジーとSociety5.0」をテーマにした未来社会洞察の講師業を生業としている、株式会社イーグッドの榎本晋作と申します。
今回のテーマはオンライン講演
さて、今回のテーマは、現在問い合わせの多い「オンライン講演」についてです。
主にオンライン講演の方法を5種類ご紹介いたします。
主にインターネット回線を利用し、ZoomやYoutubeライブなどの配信ツールを活用して行う講演を種類分けしてお届けします。
なんとなく「Zoomを使って講師がしゃべるやつですよね。」のようなイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は、配信方法や講演種類も多種多様なものがあります。
そこで、本日は「オンライン講演の種類」に特化してご紹介致します。
お読みいただいている方に「あ、(うちでは)このタイプやってみたい!」というものが見つかりましたら、書いている側としては本望です。
この記事はこんな方におすすめです。
- オンライン講演って何?
- オンライン講演や講座に少し興味ある
- 自社の集客方法として活用したい
- 自分もオンライン講演をやってみたい
オンライン講演を行う時のチェックリスト
まず、方法をご紹介する前に、私がいつも行なっているオンライン講座を開催する際のチェック項目をご紹介します。
*細かいものだと、もっとあるのですが、今回は、「最低限抑えておきたい!」というものに絞らせていただきました。
■ビジネス要件
- 配信目的は何か?
- オンラインならではの価値は何か?(録画配信の配布/Q&Aの後日録画配信など)
- 視聴者/参加者層はどのような方か?
- 配信終了後の参加者とのコミュニケーションフロー(*アンケートの送付、その場かぎりの割引商品など)
- 視聴者/参加者のインターネットレベル
■ツール/機材
- 配信ツールは何するか?
- 必要な機材は?
- 当日の必要スタッフ
方法1「ウェビナー形式」
→参加者が「情報のインプット」を求めている時におすすめ!
スポーツジャーナリスト・瀬戸口仁氏 オンライン講演会のオンライン講演中の様子
では、ここから、配信タイプについて。
1つ目は「ウェビナー形式」のものです。
これは、講演・シンポジウムのようなものをオンライン化したもので、参加者は基本的には、聴講とチャットでの参加のみです。
録画配信との違いは、その場でチャットで質問を受けることができるので、ライブ配信ならではなの双方向性を担保しやすいです。
- ■おすすめツール:
- Zoom(ウェビナーモード)、Youtubeライブなど
- ■提供価値:
- 情報
■よくある失敗
- 登壇者がリアクションがなくて、焦ってしまう
- 音声品質が悪い
ウェビナー形式は、リアルの時と違い、参加者のリアクションが見えにくいので、よくも悪くも登壇者の力量と経験値が試されます。
ですので、登壇者はすでに何回か経験されていて、かつ機材の確認もできる体制で行うのがおすすめです。
*後日、議事録とPDFをプレゼントすると、参加者の満足度もアップしやすいのでおすすめです。
- ■価値を上げるための一工夫
- 「MCにチャットスタッフを兼任させる!」
ライブ配信と録画での一番大きな違いは「参加してる感の有無」です。
そこでリアルよりも価値を出すためにおすすめなのは「質問」や「感想」をどんどんチャットで投稿できるような「雰囲気」を作ること!
リアルでは、司会進行スタッフは、講演中は休んでいることが多いですが、オンラインでは、参加者に「質問ある人いらっしゃいますか?」講演後に「先ほど話してたサイトのリンクはこちらです!」のような個別チャットを送るなど、受講者とのコミュニケーションをとると、参加者の満足度は上がりやすいです!
弊社の場合は、オンライン講演の場合、MCとは別に「チャットスタッフ」と「議事録係」をそれぞれ配置することもございます。
*議事録をGoogleやAmazonの自動文字起こしで生成するなどもありです。
また、裏技ですが、事前に必要な資料と一緒に、サインもしくはサイン付きの書籍を販売することで、満足度も上がりやすいです。(講演者とつながってる感が出る。)
方法2「対談/シンポジウム形式」
→参加者が「著名人同士の対談」を聞きたい時におすすめ
2つ目の方法が、著名人が複数人いる際の対談やシンポジウムの形式です。
こちらは1人の講演と違い、対談になりますので、「限られた時間の中で、いかに円滑にコミュニケーションと議論を進められるか?」がポイントになります。
1人での講演に比べて、パワポの準備等に時間がかからないので、登壇者のスケジュールさえあえば、すぐに実施できるところもメリットとしてあげられます。
- ■おすすめツール:
- Zoom(ウェビナーモード or MTGモード)、Youtubeライブなど
- ■提供価値:
- 情報
■よくある失敗
- 登壇者の1人がネット回線が弱くて、ディスカッションに支障が出る
- 話が本旨とずれていく
- 自己紹介でやたら時間が取られる
キャスティングや時間制限の関係などで、
- メインのディスカッションがあまり盛り上がらない
- ありきたりな話で終始してしまう
のようなケースがこのような形式の場合、結構あります。
特にオンラインの場合、参加者の集中力が持ちにくいと言われているので、「参加者をひきつけるようなディスカッションをいかに演出していくか?」が鍵になります。
これは、オフラインでのディスカッションでも同じなのですが、やはり、対談形式では「ファシリテーターの重要性」はとても高くなりますので、ファシリテーション能力の高い人間を1人キャスティングしておくのがおすすめです。
- ■価値を上げるための一工夫
- 「ストップウォッチを自己紹介の時に使用」
自己紹介や基調講演者のスピーチが長くなるといったケースが、登壇者が多い講演では、よく発生します。
その際におすすめなのが、ファシリテーター(司会者)が画面上で、iPhoneなどのスマホを使い、ストップウォッチを見せておくこと。
これにより、自己紹介や基調講演の際に、しゃべる人が時間を意識し、円滑な進行および重要論点をメインとした話をしてくれます。
また、細かい話なのですが、講演開催の数日前に、参加者に「どのようなことを聞きたいか?」をGoogle フォーム等でアンケートを取り、それを司会の方や講演者が事前に打ち合わせで目を通しておくと、満足度や双方向性が高まりやすいです。
方法3「研修/ワークショップ形式」
→主役は参加者!事前のテストがポイント!
ワークの課題スライド
次は、講演というよりは「教育」に重きをおいた「研修/ワークショップ」形式です。
これの形式の大きなポイントは、講師ではなく参加者が主役であること。
そのため、事前に参加者と双方向にできるように、準備する項目が多くなります。
- ■おすすめツール:
- Zoom(MTGモード/ブレイクアウトルーム)、Remo、Google スライド
- ■提供価値:
- 教育、ソリューション
■よくある失敗
- 参加者が自宅から参加してるので顔出しできない
- 用意しておいてほしいといったものを参加者が用意していない(紙やペンなど)
- 特定の参加者のネット回線が弱い
- 音声が聞こえない、声が聞こえない
- スマホの参加で各種クラウドツール(Googleスライドなどワークに使うクラウドサービス)
- スマホのギガが切れた
- 他の参加者と同じ部屋にいるので、どちらかをミュートしないと「キーーーン」となってしまう
主に「参加者のデジタルツールへの慣れ」で大きく、研修やワークショップのクオリティが変わっていってしまう傾向があります。
また、ワークをパソコン上で行う時に、Googleスライド(Googleのパワポ)やその他ツールが使えるかも、人によってITスキルの違いがありますので、ここも注意が必要です。
- ■価値を上げるための一工夫
- 「前日までに30分ほどのテストしておく」
この形式に限らないのですが、オンラインでのワークショップを行う際のおすすめは、「ワークショップ前に30分ほどのテスト」をしておくこと。
事前にチェックする意味とアイスブレイクを兼ねて、「講師との顔合わせオンライン飲み会」を行なっている会社さんやオンラインサロンもございました。
その際にはツールを複数テストすることも有効です。
例えば、15分ほどZoomで行い、その後にRemo(グループに分かれてイベント開催できるツール)へ移行し、「ツールに慣れながらアイスブレイクを行う」というものです。
本番での不安要素をとにかくトライしておくことで、参加者の満足度を上げながら、本番も円滑に行えるというのも利点です。
*リアルよりも、オンラインの方が場所のハードルが少ない分、テストをしやすいというところに、私自身、オンラインの利点を感じています。
方法4「実演型講演(茶道やお能、書道、ダンスなど)」
→身体を動かすタイプの講演者におすすめ!
講演の中には、「実演付き」のものも少なからずあると思いますが、その際にはオンラインの場合、少し工夫が必要です。
私自身、今、茶道を習っているというところから、実際にオンラインでの実演型も何回か、開催したり受講したのですが、「実演の見せ方」で、大きく参加者の満足度が変わると感じましたので、シェアいたします。
- ■おすすめツール:
- Zoom,Youtubeライブ
- ■提供価値:
- 知識、体験
■よくある失敗
- 定点カメラで実演してる様子がカメラから遠くて見えない
- 用意しておいてほしいといったものを参加者が用意していない(紙やペン、プリントアウトしておいて欲しいといった資料など)
このような失敗理由として大きいのは、「実現中の撮影シュミレーションができていないこと」と、「参加者に何かをお願いする際には、運任せの要素が出てしまう」というところです。
大事なのは、主催者側として受講者側の事前の負担を減らしつつ、解決すること。これが成功の鍵になりますので、もし、事前に必要な資料やものがあれば、希望者に送ってしまうのも1つの手です。
- ■価値を上げるための一工夫!
- 「カメラを2台使う!(スマホ可)」
「実演部分が定点カメラになってしまうので、参加者の満足度が上がりにくい・・・
(でも、映像部隊を揃えるほどの予算はない・・)」
そんな時におすすめなのは、カメラを2台使うこと!
スマホでも大丈夫なので、Youtuberなどがよく屋外で使っている持ち運び可能な三脚を使い「定点カメラ」と「手元をダイナミックに写すカメラ」の2台があると、参加者も非常に見やすく、かつテレビ中継のような臨場感が出やすいです!
方法5「現地からライブ配信(旅行ガイドさんや海外在住者)」
最後は少し変化球ですが「現地からライブ配信」です。
実はこの配信方法はオンライン配信の利点でもあります!
例えば、屋久島の旅行ガイドさんや海外の居住者が、旅行や海外に行きにくいケースで、現地から旅行者目線で、旅を配信するケースなどです。
もちろん、講演の一部に中継としてつけるのもありです。
例えば、旅行事業に関する講演で、現地ガイドをライブで呼ぶ。これは、臨場感も出やすいですし、ライブ感満載なので、すごく効果的です!
- ■おすすめツール:
- Zoom、Facebookライブなど
- ■提供価値:
- バーチャル体験・臨場感
■よくある失敗
- 外でWi-Fiがが弱い
- スマホの電池が切れる
- 時差を忘れている
主に離れた場所にいる場合、意外と多いのが凡ミスです。
例えば、中継先でスマホを使っていたのに、スマホの充電が消れる、時差を忘れていて、時間になってもこないなどです。
*ちなみに、海外からの配信の際には、時差は本当にあるあるなので、事前の時間確認段階で「日本時間21時」など、必ずどこの国の時間かをチャットで記載するのがおすすめです。
- ■現地の特産品を送り、当日まで開けないように促す!
- 現地中継の臨場感をより出す工夫として、よく使われるのが、「現地の特産品」や「参加者へのプレゼント」を事前に送っておき、当日まで開けないようにしておくと、サプライズ感や参加者の一体感が出るのでおすすめです。
参加者がオンライン参加になれたこのタイミングで、オンライン講演という新たな武器を!
人工知能とキャリア講座(録画収録)*インターネットを通じないで、よりリアルに近い音声品質担保の際には、講演は録画とライブを併用するのもおすすめです。
今を生きるとともに、経営者、そして未来のマーケティングに求められるのは「アフターコロナの戦略」です。
もともと、Society5.0や、アフターデジタル、デジタルトランスフォーメーションなど、あらゆる言葉で、企業の未来戦略は必要性は言われていましたが、この情勢でさらにそれが顕在化しているように感じています。
その中で、オンライン講演やオンラインでの教育などは、一過性のものに思われがちですが、実はそうではないと私は考えています。
なぜなら、私がロンドンで働いていた2013年頃、すでに行政機関でさえ、Webinar(ウェビナー)という言葉で多くの講座を配信しており、デジタルでの受講は当たり前でした。
例えば、資格試験の会場はリアルの場ですが、それまでの公式の説明や講座は全てオンラインという具合です。
講演や教育もしかりで、アフターコロナ、ウィズコロナ時代では、オンラインとリアルを統合される世界がすぐそこまできています。(業界用語でOMOと言います)
ですので、オンライン(デジタル)の手法は、今だけ必要なものではなく「武器として必ず身につけておくべきもの」ととらえ、これを機に御社もぜひ、「オンライン講演をきっかけとしたデジタルトランスフォーメーション」に取り組んでいくのはいかがでしょうか?
今回もご拝読いただきありがとうございました。
次回は、「未来のマーケティング」シリーズで、アフターコロナ(アフターデジタル)時代についての解説記事を配信予定です。
講師ご紹介
*講演依頼.comの榎本晋作のプロフィールページはこちらになります。
(今回のような最新テクノロジーの講演もございます。)
榎本晋作えのもとしんさく
株式会社イーグッド 代表取締役
デジタルマーケター/IT教育者。「未来社会をリードできるビジネスパーソンを育てる」をミッションに、現役事業家、経営者、デジタルマーケターの視点から講演・研修・コンサルティングを実施。 テクノロジ…
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