昔からコモドドラゴンという生き物が気になっていました。見た目は恐竜のイメージそのもの、体長は大型のもので4mを軽く超え、小動物を捕獲することはもちろん、大型の牛までも倒すという凶暴性。生態はオオトカゲ科に属するものの恐竜の生き残りではないのかと叫ばれていました。興味があれば自分の目で確認すること、インドネシア・コモド島に生きるコモドドラゴンに会いにいきました。
多数の島々からなるインドネシアは海洋国家としての美しい魅力に溢れています。コモド島へは何度も飛行機や船を乗り着いで足を踏み入れることができました。上陸して一番に驚かされたこと、それはコモドドラゴンが暮らす島の沿岸部で普通に地元の方々が暮らしていることでした。小さな子供たちまでもが笑顔で走り回っていました。危険は無いのかと不安を覚えながら、村の家々を観察してみるとすべてが立て床式の家となっていて、コモドドラゴンを警戒している一面が確認できます。
その沿岸部の村から丘の斜面を見てみると、コモドドラゴンが何匹も普通に歩き回っています。さらにその斜面の麓には学校があり、子供たちが教室で学んでいる。学校の周りは高い塀で覆われていてコモドドラゴンが侵入できないように防御されていました。村の方々は漁業で生活の基盤を固めながら、コモドドラゴンの木彫りや記念品を手作りで彫り上げ、お客さんに買っていただくことも大切な収入源としていました。
いざ、コモド島の森の中に入っていくと、コモドドラゴンがゆったりとこちらに向かって歩いてきます。島の一角はコモドドラゴンを保護する目的で政府の管理下に置かれていました。目の前でたたずむコモドドラゴンは体長4m以上、その表情は恐竜そのもの、動きはゆっくりであるも、獲物を捕獲するときには猛スピードで走り回る。コモドドラゴンという圧倒的な存在とそこに暮らす子供たちの生活風景に驚き、沢山の家族の笑顔に不思議な安堵感を覚えました。世界には様々な生活環境があることを改めて痛感した時間でありました。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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