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みなさま、本日も、連載コラム『ウェブマーケティングに強い社員の育て方』の第11回の記事ページにアクセスいただき、ありがとうございます。
主にウェブマーケティングのクライアントワークや、「テクノロジーとSociety5.0」をテーマにした未来社会洞察の講師業を生業としている、株式会社イーグッドの榎本晋作と申します。
昨今の状況を鑑み、企業のマーケティング担当者も「未来のデジタルマーケティング」を考える必要性に迫られてきました。
そこで、今回から複数回を通して、「未来のウェブマーケティング」をテーマに、企業が未来に向けてどのようなウェブマーケティング活動に取り組んでいくべきかをお届けしたいと思います。
第一回目は昨今話題の「ライブコマース」です。
この記事はこんな方におすすめです。
- アパレル/コスメなどの小売のマーケティング担当者
- これから新しいことに着手しなきゃいけないとはわかってるけど・・・
- ライブコマースは少し聞いたことある
ライブコマースとは、そもそも何か?
→簡単に言うとテレビ通販のスマホ版です。(主にインスタライブ)
「ライブコマース」と言うと、巷(ちまた)では、色々と難しい説明をされることが多いと思います。ですが、本記事では「すぐに使える知識」を重視したいので、いったん正確な定義はおいてかせてください。
ライブコマースとは、簡単に言うと「テレビ通販のスマホ版(主にインスタライブ)」のことです。
*インスタライブ:インスタグラムで、行われるライブ配信。芸能人やスポーツ選手のほか、高校生たちも普通に生中継でフォロワーたちにライブ配信を行います。
イメージとしては、かつては、「ジャパネットタカタさんをテレビで見て、パソコンやエアコンを買っていた」のが、今は「インスタライブをスマホで見て、服を買う」という具合です。
ただ、テレビショッピングと大きく違うのは「お客さんと双方向(コメント機能で会話できる)」という点です。
ライブコマースはインスタだけなのですか?
→ライブ配信ができれば、全てのツールで可能です。
ですが、今のところ販促力が高いのがインスタグラム。
「ライブコマースってスマホのSNSでやる生中継で物を売ることですよね?」
と、言われれば、現状、ほぼYESに近い回答になるのですが、少しだけ補足させてください。
まず、ライブコマースの定義は、諸説ありますが、多くの場面で共通して言われているのが
「生配信をして、ものを売ること。」
と言う定義です。
この場合、テレビショッピングもライブコマースに分類されてしまいそうですが、先ほども申し上げた通りに、マーケティング上のポイントとして「お客さんと双方向であること」。
ですので、テレビやYouTube配信(普通に上がっている動画)のように、一方通行なものは含まないことにします。
*ただし、YouTubeライブ(生配信)はコメントで双方向が実現できるので、ライブコマースに含みます。
■日本の主なライブコマース媒体
現在(2020年6月)の日本でライブコマースができる媒体をご紹介します。(細かく言うととにかくたくさんあるのですが、ここでは代表的なものだけあげさせていただきます。)
- インスタライブ
- Rakuten LIVE
- YouTubeライブ
- Twitterライブ
- 17
- ポコチャ
- SHOPROOM(SHOWROOMが提供)
*BASEライブ、メルカリライブもありましたが、どちらも現在はサービスを終了しています。
上記、「販促力があるかないか?」を一回除外し、可能な限り「ライブコマースが可能なもの」をあげさせていただきました。
ただ、ライブコマースに強い会社の多くは「色々試したが、現在はインスタライブしかやってない」という風に言ってますので、やはり、日本においては、ライブコマース≒インスタライブとなっているようです。
ちなみに、17やポコチャなどは投げ銭モデルと言って、ライバー(配信主)にファンが課金するビジネスモデルなのですが、ライブ配信の双方向性を学ぶ上では、非常に勉強になりますので、ダウンロードして試してみることをおすすめします。(投げ銭なしで無料でも大丈夫です。)
【時事情報】
また、時事情報ですが、日本プロ野球の伝統的老舗人気球団『阪神タイガース』も投げ銭システムを試みるそうです。
イベント型ビジネスのリアルネット融合がますます進んでいます。
*余談ですが、女子プロレスのスターダムもコロナ中にYouTubeライブで投げ銭モデルを実施していました)
ライブコマースは物が売れるのか?
→成功事例出てきてはいるが、まだまだ「可能性のある販売手法」というレベル
専門的な話をしすぎると、難しくなってしまうので、ライブコマースの販促力については、まず箇条書きで説明させてください。
- テレビ通販の国内マーケットサイズは6,000億円/年(2018年)*年々上昇
- ライブコマースの本場、中国のEC市場は150兆円/年
- そのうち、ライブコマース率は1%程度で15兆円
- これを日本にEC市場18兆円なので、1%だと1800億円/年程度の期待ができる
- 日本メインはインスタライブ ・年齢層は10〜40代と必ずしも学生や20代若手ではない
- インスタと相性のよいコスメやアパレルなどスマホ画面で写真映えする商品が売れやすい
- ライバー(ライブ配信に出る出演者)にたくさんフォロワーがいれば売れるというわけではない
- 3,000人程度のフォロワーも、ファンがしっかりとついている人なら販促力あり(マイクロインフルエンサー)
- さらに普及するかどうかの鍵はライブ配信、インスタ内のカートシステムのアップグレード
- ただ、ライブ配信をすればいいというわけではなく、ライブ配信のストーリーが必要
このような点から、考えるに、現状、中国ほど成熟期に入っていない日本、かつメインメディアがインスタであることから考えると
「コスメやアパレルなら、インスタと相性のよい小売アイテムから今後広がっていく」
という展開が期待できると私は考えています。
*ただ、中国では「ライブコマースで売れないものはない!」という格言があり、車はもちろん、宇宙旅行まで売れてしまったそうです。
<事例1>ライブコマースの本場、中国では大手旅行会社の会長が出演し、15億円を売り上げる!
最初にライブコマースの本場、中国での成功事例から紹介します。
COVID-19の影響を一番受けたと言っても過言ではない「旅行業界」。中国でももちろん例外ではなく、中国最大のオンライン旅行代理店「携程(Trip.com)」もキャンセル金額4,700億円を計上してしまったそうです。
そこで、国内旅行解禁の際に、プロモーション施策として見出したのが、創業者(会長)の梁建章(James Liang)氏自らのライブ出演。
自社が扱う国内旅行のプロモーションをライブ配信で行い、6回出演し15億円を売り上げました。
キャンセル金額からすると、微々たるものに見えますが、ポイントは本気度!
会長がなんとなく出演しているのではなく、衣装まで準備し6回も本気で出演しています。
ライブコマースが、効果ある販路として活用されているのが伺えます。
<日本の成功事例>155cm未満のアパレルブランド「COHINA」
「ライブコマースというと、中国ばかりなんですね。そうすると、日本では、ライブコマースだと売れないのでは?」というお声が聞こえてきそうですので、ここで日本の事例を紹介したいと思います。
インスタグラムおよびライブコマースをメインの販売経路にしている新鋭アパレルブランド「COHINA(コヒナ)」です。
COHINAは155cm以下の低身長の女性に特化したD2C(ブランドが顧客へ直接販売)のアパレルブランドで、そのメイン顧客は155cm以下の女性です。
販路のメインは、インスタグラムでのライブ配信。低身長ライバーと、限定クーポンで訴求!
COHINAのライブ配信のポイントをご紹介します。
モデルよりも等身大のライバー(お客さんと近い方)
- 身長という共通点で共感を得ている
- ライブ配信から期限付き限定クーポンを発行
- 口コミで検索経由の顧客も増えてきている
- ほぼ毎日配信(お正月やクリスマスも)
- 毎回2,3人のライバーで配信
- ライバーの幅を大事にしていて若い子だと大学生、一番年上だと39,40歳くらい
- ライバーさんとのファンイベントも開催(ケーキを食べる会など)
とにかく、初期段階から、ライブ配信に力を入れ販促活動を行なっていたそうです。<br>また、インスタライブを見てもらうためには、フォロワーが必要(通知がいく)のですが、最初1,000人くらいのフォロワーの時から諦めずに、継続して配信を続けてました。
お客さんの層がインスタグラムにマッチしているのも、ポイントとしてありますが、毎日ライブ配信をやって「ここは常にライブ配信をやっているブランド」というイメージをフォロワーさんに感じてもらえたのが、大きな成功ポイントとしてあげられます。
ライブコマース普及の鍵は2つ!
→「①インスタ内のカート機能と決済」「②5Gによるさらなるライブ動画普及」
「では、日本でライブコマースはいつ普及するんですか?」
という質問についてなのですが、ここでは、よくあげられるポイントを2つご紹介いたします。
①インスタ内のカート機能の実装(登録/決済/アプリから離脱しないと買えないの解決)
1つ目は「インスタグラム内で購入ができるシステムの実装がされるかどうか」です。
ライブコマースの弱点は、「ライブを見ているお客さんが、一回インスタのアプリから離脱して、サイトから買う」というアプリ落ちの手間。
現在、一部の会社ではインスタ内からECサイトを表示させることができる「インスタショップ」の機能が提供されていますが、やはり、ECを表示しなくても、インスタ内で買えるかどうかは大きなポイントかと思います。
また、クレジットカードの登録の手間などがありますので、ここはFacebookペイメント(Facebookはインスタグラムが運営)やそのほかの決済手段との連動がインスタ内でできるかも大きなポイントになります。
②5Gの普及〜そして折りたたみスマホ(Folderble phone)が普及するかもカギ〜
後ろにもそれ上がるシャオミ(xiaomi)の有機 el ディスプレイ。ライブコマース普及のカギは画面が大きく、アプリが複数使えるスマホがどのくらい普及するかもポイントになります。
4G回線でもわりかし快適には見れるのですが、やはりライブ配信は双方向性。
ですので配信側/視聴側どちらも「タイムラグ」が極力なくなると、さらに視聴者や購入者が増えることは容易に想像されます。
この考え方はオンラインMTGとほぼ同じです。(快適に通話したいNEEDS)
また、以前の記事でも紹介いたしましたが、5G普及による折りたたみスマホ普及で、アプリが複数使えるようになりますので、「ライブ配信を見ながら、ECサイトで購入」も可能になります。
一番大きなポイントは「継続力」と「異常値」!
デジタルトランスフォーメーションに成功する企業は、「一点突破の継続力」を持っている。
ここまでご拝読いただきありがとうございます。
最後に私が一番ポイントだと思うことをシェアさせてください。
「一点突破で続けること」
デジタルマーケティングに限らず、何か新しいことをやるときや会社が変わる時に一番やってしまいがちなミスが「少しやってすぐにやめてしまうこと」です。
これまで、数多くの大中小企業の新規事業やデジタルマーケティングに携わらせていただきましたが、うまくいってる会社の共通点は、「最初は大変でも、とにかく続けて異常値(平凡でない数字)を出したところ」。
例えば、コンテンツマーケティングやSEOが流行りだすかどうかだった2012年。
これまで旅行業界ではあまりデジタルマーケティングが進んでいなかった時に、旅行先の国ごとの専門サイトを立ち上げ、車内スタッフがブログや観光地案内を合計300記事以上更新した100人未満の会社が、その後、数年、SEOのみでの集客を実現していました。
COHINAと同じく、半信半疑の中、異常値(記事数や配信数が以上に多いこと)を出すことで、マーケットサイズが小さくてもトップランナーにはなりやすいので、先駆者利益を得ることができます。
この異常値はアクセス数や売上に限らず、YouTubeであれば配信数などでも大丈夫です。大事なのは「やるならとことん!」中途半端にしないことです!
この中途半端にしないために、実は一番大事なのが「担当者が好きであること」。
ライブコマースに限らず、新しいことを行う時はトップダウンだけではなく、担当者がそのプロジェクトを好きであることが大事になりますので、ぜひ、導入の前には、モチベーションの高いメンバーかどうかを重視してみてくださいね。
今回もご拝読いただきありがとうございました。
次回は、「未来のマーケティング」シリーズで、アフターコロナ(アフターデジタル)時代についての解説記事を配信予定です。
講師紹介
*講演依頼.comの榎本晋作のプロフィールページはこちらになります。
(今回のような最新テクノロジーの講演もございます。)
榎本晋作えのもとしんさく
株式会社イーグッド 代表取締役
デジタルマーケター/IT教育者。「未来社会をリードできるビジネスパーソンを育てる」をミッションに、現役事業家、経営者、デジタルマーケターの視点から講演・研修・コンサルティングを実施。 テクノロジ…
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