わたしは、京都のノートルダム女子大というところを卒業した。
元々、勉強がそんなにできなかった。いろんな大学を落ちた。
かなり、コンプレックスを持って行ったものの、京都にあこがれていたし、
入ったら入ったで友達もできて、先生も気に入って、楽しく4年間を過ごした。
吉本興業に入った時、初めての女子大卒社員ということもあって、
「なんで、そんなお嬢さんがこんな世界にきたの?」
「僕、昔、その大学にあこがれの人がいたんだよ」と、なぜかちやほやされた。
もちろん、芸人もデレクターもプロデューサーも作家さんも、
有名国立大学の人もいれば、そうじゃない人もいる。
大学中退もいれば、高校中退もいる。それどころか、
中学だけで終わっている人もいたし、完全に実力主義の世界だったので、
職場ではそんなに学歴にこだわったこともなければ、
コンプレックスになったこともなかった。
逆に高学歴の人ほど、
「あいつは、東大出てるのに視聴率を取れない」
とか、プレッシャーになっていたかもしれない。
27歳で起業した時の仲間も、主婦2人と高卒の男性3人。
イベント会社なので、集客できて、良い企画が出せたら、学歴なんて関係なかった。
お客さんのほうの担当者で、すごく頭が切れる人で高学歴の人がいると、
「やっぱり、わたしたちと違うね」「仲良くしてもらおう」なんて
盛り上がっていたくらい。
講師という仕事をしだしてから、
「意外と学歴を気にする人がいるんだ」ということがわかった。
ある会社の人事担当者に言われたことがある。
「うちの会社で研修する人は、慶応くらいは出ていてもらわないと・・・」
「でないと、うちの社員は、聞く気にならないから」
そうなんだ・・・。じゃあ、わたしはムリだわ。そう思った。
そして、「そんな世界もあるんだ」と思った。
講演は、私自身のキャラクターで呼んでいただくことがほとんど。
あんまり気にならなかった。ところが、ある研修会社の人と飲んでいる時に、
「大学の先輩とか仲間に営業するんですよ」という話を聞いて、
「そうなんだ」と、新しい世界を見た気がした。
今わたしは、学び直しで法政大学の大学院に通っている。
大学院になると、昔、大学に行く機会のなかった人、定年になってから入学した人、
これから留学を考えている人、いろいろな立場の人がいる。
学歴を気にしている人もいれば、単位も卒業も気にしてない人もいる。
研究生もいれば、聴講生もいる。そんな人たちが一緒に同じ講義を受けている。
おもしろいのは、講演の依頼先などで、
「今、法政大学の大学院に通っています」と話題にすると、
懇親会の時に「僕も法政なんだよ」「うちの息子、今、法政に通っているんだよ」
という話題になる。こんな経験は、今までのわたしにはなかった。
日本人って、やっぱりこんなの好きなのかな?と、笑顔がこぼれる。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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