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2013年12月05日

フェイスブックに自分の分身

 私はフェイスブックが苦手です。何故なんだろう、と考えてみると、そこに上げる写真や言葉が必要以上に気になるから…。文章を書くことが仕事の私にとっては、つい、人に見てもらえるだけの内容なのかどうかと考えてしまうのです。食事、風景、子供、ペットといった生活のワンシーンに「いいね」を押すことができても、それが本当に「面白い」とは思えない。だから同じようなことはできない、と感じたからです。かといって、スクープ写真のようなものが、そこらに転がっているわけではないし、フェイスブックのためにネタを探し回るのも本末転倒だと思います。

 そんな時に仕事仲間から「フェイスブック用の面白いアプリがあるよ」と紹介されたのが、Bitstrips。ユーザーが自分で作ったアバターをアメコミ風のマンガの中に登場させる、というアプリです。世界的にいま人気急上昇、日本語版が出ていないにもかかわらず、日本でもユーザーが凄い勢いで拡大しています。

 アバターは顔の輪郭から始まり、目、鼻、口、眉などのパーツ、体型や身長なども細かく設定が可能で、それだけで23のステップがあります。自分に似た顔作りが愛着を持てるポイントになるので、髪質やシワの位置など、コンプレックスさえも取り入れていかなければ、本当の私の分身とは言いがたいのに、つい「少しキレイめ」「少し可愛め」に作ってしまい、やり直すこと2回。ファッションも含めて自分似のアバターを完成させました。

 約8カ月、「いいね」さえクリックせず放置していたフェイスブック。夕日を背に、剣を持って崖っぷちに私のアバターが仁王立ちする作品を試しに投稿してみると、コメントも付けないワンカットの作品なのに「いいね」がたくさん届きました。見た人が何かを感じてくれたことは間違いないでしょう。そして私自身もフェイスブックに投稿することが面白いと、初めて感じた瞬間になりました。もうひとりの私がネットの世界に存在する面白さ、これから体感していこうと思います。

中村浩子

中村浩子

中村浩子なかむらひろこ

株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長

大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…

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