つながりたいからスマホがほしい

　学校でも家庭でも、子どものネット利用に困惑することが増えているのではないでしょうか。「校内持ち込み禁止」なのに学校に携帯電話やスマホ(スマートフォン)を持ってくる、食事中でも友達とメッセージ交換する、スマホゲームに夢中になって成績が落ちた…、挙げればキリがないほど、さまざまな問題が起きています。

　トラブル防止のためにスマホを買い与えないといった方法もいいですが、そもそも「なぜ子どもはスマホを欲しがるのか」を考えてみましょう。便利だから?みんなが持っているから?それともイマドキの常識だから?

　どれも当てはまるのですが、実は子どもにとってはスマホという「モノ」よりも、スマホを通じて得られる「関係性」のほうが重要です。別の言い方をすると、「誰かとつながりたいからスマホが欲しい」、これが子どもたちの本音なのです。

　最近はLINE(ライン)に代表されるようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が子ども同士の関係に深く関わっています。クラスや部活動、塾や地元の仲間などから「はずれない」ためにはスマホが必需品。

　ちなみに子どもたちは仲間はずれになることを「ハブられる」と言いますが、これは「省く」が語源です。自分という存在が、周囲から省略されてしまうことを恐れてスマホを使わざるを得ない、こんな子どもたちの実態もぜひ知ってください。