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2014年10月06日

「ホレたモノに出会う」ということ

 「40歳からは表舞台に立ちたいと思って会社を辞めることにしました」

 これからの進路相談に現れた女性は、今までウェディングドレス業界でトップシェアを誇るメーカーに勤務。売上No.1の記録をつくるだけでなく、ファッション誌で活躍するモデルやタレントからも信頼を集め、数々のドレスコーディネートをしてきたという実績の持ち主です。

 そんな輝かしい現職から、転職を決意した理由を聞いてみると、ある日、挙式当日と同じような明るいスポットライトがあたるフィッティングルームで、お客様のウェディングドレス姿を眺めていた時に、「今度は私がスポットライトを浴びたい」と思ったのがきっかけだったとか。

 彼女がその場で決意したのは、ウェディングドレスにこだわらずとも、セールスをする自分にスポットライトがあたる職業への転職。具体的には、子供の頃から憧れていたショップチャンネルでTVを通じて商品を売るキャストと呼ばれる仕事への挑戦でした。

 「会社を辞めると決めたので、結構、自信をもってショップチャンネルのキャストの採用試験を受けたのですが、ギリギリのところで駄目だったんです」

 人前に出ていた経験も有り、売ることには実績に伴う自信があって、容姿も端麗な彼女が、何故、不採用だったのでしょう?TVカメラの前で話すトレーニングのため、自分で自分のビデオを撮って、反省点を徹底的にチェック。現役のキャストで一番憧れているという、北条さんの研究も怠らず続けてきたという努力家の彼女。でも、私が話していて思ったのは、彼女に必要なのは、ホレこめるモノとの出会いではないかということです。

 時間ごとで区切られたテーマ商品を次々とセールスするのではなく、自分がホレこんだ商品に愛をこめてセールスすることが向いているのではないかと思ったのです。ショップチャンネルの場合だと、TVに映る二人のうち、MCを兼ねてテーマ商品を売るキャストではなく、メーカー代表やプロデュースした本人が登場して自社商品を売る、ゲストという立場が相応しいのでは?というアドバイスをしました。

 私もショップチャンネルでは、スタイリスト川田亜貴子さんがプロデュースするakiko kawadaや、芦屋の読者モデルからカリスマ主婦と呼ばれるようになった、貴田加野さんが代表を務めるブランドLisaLisaのブランディングディレクターを務めてきましたが、二人とも、自分がホレこんだ商品と共に、買う人に幸せな気持ちを届けられる資質を持っています。 二人に対して、モノを買う立場の人たちから、「買わせていただいて、ありがとう」というお礼の言葉が沢山聞こえてくるのは、モノと一緒に幸せな気持ち、愛を受け取ったと感じていただいているからです。今、ネットで人を介さずに、何でも買える時代だからこそ、モノを通して、人の気持ちが届くことがファンをつくっているのだと思います。

 今回出会った将来有望なカリスマゲスト候補の女性。あとは、どんなモノに愛をこめて売っていくのか、ホレこめるモノとの出会いのセッティングに力を貸してあげたいと思います。

中村浩子

中村浩子

中村浩子なかむらひろこ

株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長

大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…

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