皆さん、ChatGPTをご存じでしょうか? 昨年11月に公開された最新のAIで、チャット形式で人間の質問に答えてくれるのですが、その使いやすさと回答の正確さが世界中で話題になっています。
ChatGPTはチャット(おしゃべり)の名の通り、テキストで質問を打ち込むと、AIがそれに答えてくれるというサービスです。アメリカのOpenAIが開発したAIですが、日本語にも対応しており、現在は試験的に無料で使うことができます。
たとえば、「AIとは何ですか?」と入力すると、次のような答えが返ってきます。
『AIは「人工知能」を意味します。これは、自然言語の理解など、通常人間の知能が必要なタスクを実行することができる知能マシンを作成することを目的とするコンピューターサイエンスの分野です。』(ChatGPTからの回答そのまま)
内容としては、Webを検索すれば出てくる(Webのデータを学習に使っているためでしょう)ものが基本ですが、質問の意味を的確にとらえ、適切な答えを過不足無く自然な文章で返してくれているのがおわかりいただけるでしょう。この精度の高さと文書の自然さが非常に優れているため、あちこちで大騒ぎになっているのです。ただ、一方では問題も起きています。アメリカでは論文の要旨をChatGPTに生成させたところ、研究者がそれに気づかなかったとの報告もあり、学生がレポート作成に悪用するのではないかという懸念が拡がっています。実際、ニューヨーク市は学校関係者のChatGPTの利用を禁止したそうです。
しかし、これは大きな進歩であることに間違いはありませんし、正しい使い方をすれば非常に有用です。AIというと、これまでもさまざまなサービスや製品の中に組み込まれていて、私たちはそれを間接的に使ってきましたが、AIに「直に」触れることができるようになったことがChatGPTの革新性であり、だからこそ、ここまで話題になっているのでしょう。
このようにAIが身近になることは、DXにとっても良いことです。これまで(特に日本では)企業の現場にはIT技術への苦手意識があり、それがDX推進の障害になっていたという指摘もあります。ChatGPTのように、IT技術のほうからユーザーに歩み寄ってきてくれれば、現場でITを使いこなすことがより容易になります。
ChatGPTのように、スマホからでも日本語を使ってAIを気軽に使うことができれば、最新のIT技術の恩恵を手軽に受けることができます。こういった取り組みによってIT技術と人間の間の垣根をなるべく低くしていくことが、結果としてDXへの近道となるのではないでしょうか。
#ChatGPTはまだ試験段階で、的外れな回答を返すこともありますし、結果をそのまま鵜呑みにはできません。ChatGPTのサイトにもそのような注意書きがあります。また、日本語版は英語版に比べると精度が低いようで、不自然な言い回しが目に付くこともあります。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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