子どもが泣き出したとき、「泣かない、泣かない。それくらいで泣かないよ」「男の子はそんなことで泣かないよ」などと、すぐに止めにかかる親がいます。
これだと、子どもは自分の素直な感情を表現しないまま、抑圧しなければなりません。こういうことが続くと、苦しさ、悲しさ、恐れ、ストレスなどを溜め込むことになります。
泣くことで痛みや恐れの感情が解放されて、心がすっきり浄化されます。こういう感情を表現しないで押さえつけると、恐怖やストレスを溜め込んでしまいます。
そして、溜め込んだものはいずれ必ず、何らかの形で出てきます。ですから、こういうときは、しっかり泣かせてあげて欲しいと思います。
心にはいろいろなマイナスの感情をためこまないで、開け放った部屋のように風通しをよくしておくことが大切です。それで、初めて、明るく屈託なく素直に前向きに生きられるのです。
押さえ込まれた不満、ストレス、悲しみ、怒り、恐怖などの感情が、無意識の中に残っていると、そのように生きることはできません。
被害妄想、神経症、自律神経失調症、ノイローゼ、自己否定、他者への攻撃、人間不信などの原因になりかねません。
このような様々な悩みを抱えた人たちが心理療法に取り組む場合、カタルシスつまり浄化から始めると大きな効果があると言われています。それほど、浄化というものは大切なのです。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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