中学生の子を持つお母さんがこぼしていました。「小さいときはちょっとほめれば喜んでくれたのに、この頃は全然喜んでくれない」と。そして、「まったくほめがい
がない」と嘆いていました。
同じように感じている人は多いと思います。これが思春期というものなのですね。
あるとき、別のお母さんに次のような話を聞きました。そのお母さんが中学2年生の子に、「勉強も部活もがんばってるね」とほめてもうれしそうな顔をしなかったそうです。
ところが、「中学生って本当に忙しいね。部活も宿題も塾もあって…。たいへんだよね」としみじみ言ってから、「あなたは時間の管理を工夫して勉強の時間を生み出しているんだね」と言ったら、すごくうれしそうな顔をしたそうです。
実は、この話の中に思春期の子をほめるときのちょっとしたコツが2つ含まれています。1つめは、まず子どもの大変さに共感するということです。子どもは、「自分がどれほど大変かわかってもらえた」と感じてうれしかったはずです。2つめは、「時間の管理を工夫して勉強の時間を生み出している」と具体的にほめているということです。子どもは、「自分ががんばっていることをちゃんとわかってもらえた」と感じてうれしかったと思います。
このように、はじめに「共感」して、それから「ほめる」というのがいいのです。そして、これは思春期の子だけでなく、大人も子どもも含めてすべての人に喜んでもらえるほめ方です。 ぜひ、やってみて欲しいと思います。そして、よりよい人間関係を築いてください。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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