11月1日、日本でもMicrosoft 365でのCopilotの利用が可能になりました。まだ一部の企業ユーザー向けに解禁されただけですし、それなりの費用もかかりますので、一気に大ブレイクとは行かないでしょうが、AI活用の裾野を広げることは間違い無いでしょう。
Excelでの自動グラフ作成やWordやOutlookでの下書き・返信生成などに注目が集まっていますが、私が注目しているのはTeamsです。Teamsでは、会議の内容をテキストに起こし、それを自動で要約してくれる機能が搭載されたのです。「怒っている」「不満げ」など、発言者の「感情」を見分ける機能もあるということで、会議の議事録作成が効率化でき、内容の正確さも向上するでしょう。議事録は面倒くさいですから、新人などに「勉強のため」と称して任せることが多いのではないかと思いますが、会議の要旨を的確にまとめるためには相当なスキルが必要です。本来はベテランが担当すべき仕事ですが、そうはなっていない企業が多いのでは無いでしょうか?
話が逸れましたが、このように議事録が自動的かつ正確に残せるようになると、企業のDXが一気に進む可能性があります。これまでのこのコラムでも書いてきたように、AIには学習するためのデータが必要です。しかし、ネット上のデータには誤りや偏りが含まれている可能性があり、プライバシーの面からも利用が難しいのが現状です。
ならば、提案書や注文書などの社内のデータをAIに学習させて社内でだけ使うことにすれば良いのです。ある程度データが集まれば、過去の経緯などを把握しやすくなりますし、効果のあったプレゼン資料を見つけるのも容易になります。しかし、お客様向けの提案資料やPDFファイルはたくさんあっても、議事録がすべてデジタル化されている会社は少ないのではないでしょうか。
すべての会議(対面であっても)をTeamsで記録し、要約しておくことで、社内の動きやそのときの状況をかなりきめ細かくデータとして残せるようになります。そうすれば、「今xx社と揉めているようだが、どういう経緯なのか?」といった質問にAIが即座に応えてくれるでしょう。場合によっては「同じ様なことが過去にありましたが、そのときはこのようにして解決しました。」といったアドバイスを得られるかも知れません。日常の会議をデータ化することは、あらゆるものをデジタル化していくというDXにおいて、新たな第1歩となる可能性があります。
このような機能はTeamsに限ったことでは無く、最近Zoomにも搭載されました。未来のDXへ向けて、いますぐにでも議事録の電子化を始めるべきでしょう。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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