それぞれの子どもの成長スピードは千差万別です。どの子にもオリジナルのペースがあり、それはほとんど生まれつきのものなのです。 一般的な成長に比べて遅れているからといって、無理にペースを上げるのはやめるべきです。
そんなことをしていると、そのときどきで十分こなすべき発達課題を中途半端で終わらせることになってしまいます。そして、こなし終わっていないものは、形を変えてどこかで出てくることになるのです。
わが子の身長が低いからといって、頭と足を引っ張って伸ばす親はいません。そんなことをしたら、身体がおかしくなってしまいます。 その子は今そのような身長でいる必要があるのです。しかるべき時が来れば、ぐんと伸びます。そのために、今は準備をしているのです。
身長のように外面的な成長については、親は待つことができます。でも、内面的な成長については待てない親が多いのです。それで、無理なことをして子どものペースを乱してしまうのです。片づけができないからと言って叱りつけ、勉強をやる気がないからと言って怒鳴りつけるなどです。 こういうことをされると、子どもは自分に自信が持てなくなります。すると、何事もがんばれなくなります。
親が焦らなければ、子どもは自分に相応しいペースで着実に進めるのです。親がどっしり構えて子どもの成長スピードを受け入れれば、子どもはそのときどきの発達課題を十分やりとげてから次へ進むことができます。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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