イスラエル軍によるガザ軍事侵攻の犠牲者が15000人を超えました。パレスチナ奪還闘争を掲げるイスラム組織ハマスは自力での戦闘実績を残せないことを認識した上で、イスラエルへのジハード(聖戦)を大義に世界各国のイスラム組織を刺激し攻撃連帯強化に重点を置いてきています。イスラエル政府はガザ制圧が強行されたとしてもハマス完全壊滅は不可能であり自国へのイスラム武装組織の攻撃に対峙していく軍事体制を発表しました。ガザ地上侵攻による数万人規模の犠牲者が出ることは必至と主張しています。
激化するパレスチナ問題に対し国際社会は戦闘停止への関与、ガザ領内での避難地域の構築、犠牲者拡大を防ぐ国際連携が問われながらも支援体制は機能していないのが現実であります。イスラエルにとって自国民1200人以上が犠牲となり、220名近い人質拘束を受けた現状で停戦交渉に向き合う軍事外交は皆無であると断言。戦闘長期化によりガザがイスラエル支配地域に逆戻りすることは不可避な状態となっています。
ハマス壊滅作戦が拡大する中、11月24日カタールの仲介で人質の一部解放と戦闘の一時休止が発表されました。第一段階として50人規模の人質解放を行い4日間の戦闘休止。さらにイスラエル側は人質10人解放に対し戦闘休止を1日延長する要件を提示しました。実際に人質の段階的解放が続き、休戦期間の延長が重なることで戦闘停止につながる期待が高まりました。
12月1日イスラエル軍はハマス側が休戦協定を破ったとしてガザ軍事攻撃の再開を発表。ガザ北部だけでなく避難区域である南部一帯ハンユニスやラファ検問所地域へも爆撃を拡大しました。この攻撃でガザ当局は少なくとも193名の犠牲を確認。イスラエル軍が開戦時から予告していたハマス壊滅作戦の長期化が現実味を帯びてきています。イスラエル政府が仲介役となったカタールから休戦交渉団の帰国を発表したことで先月24日からの一時休戦と人質解放による停戦への流れが事実上断絶しました。世界各国がガザ軍事侵攻を止める手段を失った状況に陥っています。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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