昨年10月7日に発生したイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突。3ヶ月以上続く戦闘では双方で2万3000人以上の犠牲者が確認されました。さらにガザ軍事侵攻が周辺国への戦闘連鎖を引き起こし、各国を巻き込んだ軍事衝突の懸念が高まっています。実際にイスラエルのガラント国防相はガザ地区ハマス壊滅作戦がハマス支援国家や組織の軍事行動を加速させていると指摘。イラン、シリア、レバノン、イラク、イエメンのイスラム主義組織との徹底抗戦を宣告しました。
特にイランはガザ地区ハマス創設の支援国家であり、パレスチナへのイスラエル建国を認めない外交指針を繰り返し宣告。イラン国内で続いた核開発施設の破壊工作や関係者殺害事件の黒幕としてイスラエルを名指し軍事報復を突きつけてきました。イランはまさに反イスラエルの象徴国家といえます。シリアではイスラエルとのゴラン高原を巡る領有権問題を抱えています。ゴラン高原は水質資源の要であり、中東戦争を経てイスラエルが実効支配地域下に置いてきました。さらにシリア領内にはイラン革命防衛隊に関わる軍事施設が多数存在しておりイスラエルへの軍事攻撃の兵站拠点と指摘されています。イスラエルの隣国レバノンでは同じくイランの支援を受けるイスラム教シーア派武装組織ヒズボラがガザ軍事侵攻以前からイスラエルとの交戦を続けてきました。レバノンにはハマス政治部門の事務所がありイスラエル軍のドローン攻撃でハマス高官サレハ・アルーリ氏を含む7名が殺害される事件が発生しました。イラクでもイスラム組織カタイブ・ヒズボラが反イスラエル、反アメリカを掲げた攻撃を繰り返しています。アラビア半島南端のイエメンではイスラム組織フーシが紅海上でイスラエルに関わるコンテナ船を繰り返し襲撃。イスラエル支援のアメリカ軍が軍事対応する事件が続きました。
イスラエルのネタニヤフ首相はガザ軍事侵攻が第2のイスラエル独立戦争であると明言しました。ハマス壊滅作戦は1948年5月14日のイスラエル建国以来の国家繁栄と平和のための戦いと表現。地上戦が数ヶ月の長期戦に及ぶことに触れガザ中部制圧作戦と同時に南部エジプト国境地域ラファ一帯への軍事侵攻を示唆しました。救援支援が滞るガザ領内では約40%の市民が飢餓状態。ガザ領内だけで犠牲者は少なくとも2万2722人が確認されました。瓦礫の下敷きとなり確認できない行方不明者も数千人規模に及ぶと報告されています。イスラエル軍はハマス壊滅作戦の長期化の背景に人質解放を完遂させること、同時にガザ地区ハマス最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏の拘束を大義に掲げています。現在のガザ軍事侵攻の状況は北部地域を制圧し南部地域の難民キャンプや医療施設を狙った空爆に戦術をシフト。各国の停戦仲介外交は機能せず戦闘の収束が見えない状況に陥っています。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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