春がやってきた。入学式の季節。日本全国の学校で入学式が行われる。
世界の学校ではどのような入学式が行われているのだろう。
カメラ両手に世界中の学校の入学式にお邪魔した。
アフリカ大陸からはガーナ共和国。森の中で農耕生活をおくる子供たちにもともと学校というものは存在しなかった。世界中の支援者から集まった教育献金で地域初の学校が完成したとき、お揃いの制服、鞄をもって勉強ができることに子供たちは狂喜した。学校の入学式には色鮮やかな制服を着込んだ生徒たちはもちろん、就学年数に満たない子供たちまでもが学校に殺到。式典では歌い踊るお祭り騒ぎが繰り広げられた。学校に行くという夢が実現した子供たちは爛々と目を輝かせていた。
アジアユーラシア大陸からはパキスタン。国内情勢が不安定な中、小中学校の入学式が行われた。難民キャンプ地で生活する男の子は、母親に見送られて式典に向かう。難民生活では子供たちは教育を受けることよりも水を汲んだり、テントをはったり、毛布を洗ったりと両親の手伝いが優先されていた。
それでもイスラム国であるパキスタンではマドラサと呼ばれるイスラム学校に通学することは家族にとって名誉あることだった。式典には難民キャンプからたくさんの子供たちが参加しここでもお祭り騒ぎとなった。
中東からはイラク。戦争が続く中、子供たちは毎日学校に通い授業を受けていた。入学式では在校生たちが大喜びで新入生を歓迎する。自爆テロが続発し多数の同級生が犠牲者となっているイラクでは、上級生と決まった道を集団登校することで安全を確保していた。入学式に新入生がやってきたことで学校に久しぶりの笑顔が満ちあふれた。
中南米カリブ海からはキューバの入学式。お揃いの制服と一輪のバラの花を手にした新入生が壇上に並ぶ。観客席には両親はもちろん町中の親類が参列して、入学を祝福した。入学式のお祝いの歌はキューバの英雄チェゲバラ、勇敢で思いやりのある大人になってほしいという願いを子供たちに託していた。
世界中の入学式、笑顔と希望で満ちあふれていた。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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