イスラエルガザ軍事侵攻におけるガザ領内での犠牲者は、現時点で34400人を超えました。半数以上が女性と子供たち。さらに多数の行方不明者の捜索が続いています。ガザ南部ハンユニスにあるナセル病院の敷地内では392名の遺体が掘り起こされ、そこには幼児や入院患者の姿が確認されただけでなく複数の遺体に虐待の形跡を確認。ガザ民間防衛隊はイスラエル軍による大量虐殺(ジェノサイド)の疑惑を指摘しています。
ガザの人口は約230万人。そのうち100万人以上が食糧危機による飢餓状態に陥っており、イスラエル軍がガザ最南部ラファへの地上侵攻に踏み切った場合さらなる犠牲者拡大は避けられません。ラファには現時点で約150万人の避難者が殺到しており、エジプト側へ抜ける検問所はイスラエル軍の管理下に置かれているため、世界各国からの救済支援安定供給は機能していない状況であります。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(ウエストバンク)ではイスラエル軍とユダヤ教極右組織によるパレスチナ住民襲撃事件が多発。国際法で禁止されるパレスチナ自治区地域へのユダヤ人入植活動を拡大することで、ヨルダン川西岸一帯での報復の連鎖が深刻化しています。イスラエルへの反発を強める周辺イスラム諸国からの軍事圧力も緊迫度を増しており、4月1日と14日に確認されたイスラエル軍とイラン革命防衛隊によるミサイル攻撃の応酬は、中東全域に戦闘拡散の懸念が高まりました。イランのライシ大統領は、現時点での軍事介入は回避するもイスラエル軍の再攻撃があった場合、壊滅攻撃に踏み切ると警告。イラン政府はあくまでイスラエル軍による威嚇攻撃と判断することで大規模軍事衝突には踏み込まない指針を発表しました。
イランが軍事支援するアラビア半島南端イエメン拠点のイスラム教シーア組織フーシは、紅海からアデン湾を結ぶ海域で各国の航行船舶を襲撃。対フーシへのアメリカとイギリスの軍事連帯が強化され、ミサイル攻撃を繰り返し撃墜しています。同じくイランとの軍事連帯を組むイラク拠点の武装組織『イラクのイスラム抵抗運動』がイスラエル領内を狙った巡航ミサイル攻撃を発表。さらにイスラエル北側隣国レバノンのシーア派武装組織ヒズボラによる越境攻撃も頻度を増しています。こうしたイスラエルに対するイラン連帯地域のことをシーア派三日月地帯と表現されています。
イスラエルとガザ地区ハマスによる休戦協議が進展し始めていることも事実であり、双方の要件は段階的人質解放とイスラエル軍のガザ完全撤退。交渉における歩み寄りを模索するも、イスラエルのネタニヤフ首相はハマス壊滅のためのガザ南部ラファ地上侵攻は不可避と断言しました。さらなる犠牲者の拡大が避けられない状況を突きつけられています。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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