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2024年10月16日

ノーベル賞学者はAIの進化をどう考えているのか?

今年のノーベル賞が発表されましたが、なんと物理学賞と化学賞でAIの研究者が受賞しました。深層学習の発展に寄与したとしてヒントン氏ら2人が物理学賞、AIを使った蛋白質の構造予測でハサビス氏らが化学賞を受賞したのです。AIなのに物理学賞なのか、というのもちょっと不思議な感じですが、他にあてはまる分野が無かったのでしょうね。

ヒントン氏はトロント大の教授で、「AIのゴッドファーザー」とも呼ばれる大御所です。昨年までGoogleに在籍していました。一方のハサビス氏はGoogle傘下のディープマインド社のCEOです。数年前に囲碁で人間のチャンピオンに勝った「Alpha Go」を開発したことで有名です。奇しくもAI分野におけるGoogleの存在感を示すことになりました。

そのヒントン氏ですが、Googleを退社する際にAIについての警告を発しました。この先AIが進化を続けると、いつか人間に敵対するようになり、「人類の終わりを意味する可能性がある」というのです。ホーキング氏など多くの有名人が同様の警告を発していますが、AI研究の第一人者が警告したことで大きな話題になりました。

しかしヒントン氏は、懸念を示しつつもAIの研究を止めろ、とは言っていないのです。当時のWiredのインタビューで「多くの記事は、わたしが直ちに開発を止めるべきだと考えているように書いています。でも、そのようなことは一度も言っていません」と言っています。これだけの可能性を持った技術の開発を止めるなどということは「そもそも不可能」だと言い、「開発は続けるべきだと思う」と言っています。ただし、「それ(開発)と同じくらいの労力が、AIがもたらす悪影響を抑える、あるいは防ぐため注がれるべきだと考えています」ということです。

AIを脅威と捉える企業は日本でも増えているようです。しかし、AIを使いこなすことで効率を高めている企業も多く存在します。いたずらに最新技術を怖れて近づかないのでは無く、何がどの程度の脅威になるのかを正確に見極め、リスクを避けながら最大限の効果を得るためには、AIについて正確な知識を持ち、常に最新の状況に注意を払うことが大切なのでしょう。

大越章司

大越章司

大越章司おおこししょうじ

株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役

外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…

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