■「実力の差」「意識の差」
「人間の能力は差があるといっても5倍程度だが意識は100倍も1000倍も差がある」
これはある経営者の確信をついた言葉です。確かに、能力の差よりも意識の差が企業の営業力に影響を与えるように感じます。「やる気」は個人の問題ではなく企業として考えなければならないマネジメントの課題です。しかし、最近の営業現場をみて感じるのですが、上を(トップ)目指そうとする営業マンが急激に減っているのです。
昔は「あの人には負けたくない」とか「いつかは1番になりたい」という上昇志向の営業マンが大勢いました。しかし最近は、「そんなに頑張ってもしょうがない」「目立ってもいいことはない」・・・と「ある程度のレベル」で満足してしまう営業マンが多いのです。
マネジメントに携わる人たちの中にも、組織営業を確立すれば「個」の力は必要ないとばかりに、人材育成をおろそかにして、モチベーションを「気分」と区別できない人が増えています。実際には、企業の歯車として「普通」でいればよいという人は、普通ではなく「下の下」に落ちてしまうことは営業の現場を見れば明らかなことです。成果を出したい、トップに立ちたいと願うことが、「もう少し電話をしてみよう」、「もっと勉強しよう」、「売れている人から盗もう」といった積極的な行動へと突き動かすのです。マネジメントは「トップセールス」を目指すことの価値を示し、適切なインセンティブを与えることで、営業マンに必要な向上心を社内の文化にすることができるのです。あなたの会社には「No1を目指す」営業マンが何人いますか?
■「売れたいと思わせるマネジメント」
ではどうすれば「売れる営業マンになりたい」「絶対にトップセールスになってみせる!」と思わせることができるのでしょうか?営業のモチベーションをアップさせるのは「マネジメント」と「評価」かかっています。もちろん100人いれば100通りの「目的」と「やりがいを感じるポイント」があるので、これをやっておけば誰もがバリバリ働きたくなるというような都合の良い話はありません。かといってマネジメントが「やる気は個人の問題といって放任していればバラバラの個人商店のような営業チームになってしまい、個人差がうまれてしまうでしょう。
マネジメントと評価という2つのポイントをどのように工夫することができるでしょうか?
■マネジメントのカスタマイズ
上司と部下の関係強化は永遠の課題です。例えば当社で実施したアンケートによると「ダメな上司」の下で働かなければならなくなった時の部下の反応は意外にも「静かな反応」なのです。
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Q:あなたの配属された上司が「ダメ上司」だったらどうしますか?
(営業マン1000人へのアンケート:複数回答可)
【ベスト5】
1 我慢する
2 転職を考える
3 自分にできることをして転属を待つ
4 親や上司に相談する
5 あきらめる
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驚いたことに、何らかの行動を起こすといった答えは<2>の「転職を考える」のみで、あとは我慢して耐えるという答えがほとんどなのです。上司と部下の関係がうまくいかなくても「辞める」ところまではいかないというのがホンネなのかもしれません。しかし、問題はもっと深刻でそうした「辞めたいけど辞めない営業」はやる気があるはずもなく、ダラダラと数年間を過ごすことになってしまうのです。営業現場の声を調査すると、反発や不満だけではなく「あきらめ」や「無関心」が驚くほど多いのは、現場とマネジメントの距離を反映しているのではないでしょうか?
マネジメントは一人ひとりの考え方や、見方、現在の状況を把握して「その人に合ったマネジメント」を行なわなければなりません。今までは上司のやり方に部下が合わせるという「上司優先型」が主流でしたが、これからは上司が部下の状況に合わせてマネジメントの手法を変えていく「カスタマイズ化」が進んでいくことでしょう。そのようなマネジメントが「部下」のやる気を引き出させ、トップに立ちたいというモチベーションをアップさせることができるのです。あなたはどの程度部下の実状をご存じですか?また自分のやり方を押し付けるのではなく、自分から歩み寄る努力をしているでしょうか?
こうした柔軟なマネジメントが強い組織をつくるのです。
■評価とインセンティブ
もう一つ営業マンを育てるのにかかせないのが「ほめる」ことです。
最近部下をほめないマネジメントが増えています。少ない人数でキャパシティを超えた仕事をこなさなければならず余裕がないのです。「話せばいい人なんだけどね・・・・」こう言われる上司が多いのに驚きます。
部下をほめられない人はマネジメントに重要な特質が欠如しています。よくほめられる営業チームと、厳しい言葉だけをなげかけられる営業チームでは「生産性が1.7倍も違う」といわれています。言い換えると、もしあなたが怒っているだけのマネージャーならば「売れない原因」を自分でつくっていることになりかねないのです。
金銭的なインセンティブは一時的な満足を与えますが、「やる気」を引き起こすためには、お金よりも称賛、ボーナスよりも認めてあげることが重要なのです。精神的なインセンティブを感じさせられる上司が求められていすのです。
横田雅俊よこたまさとし
株式会社カーナープロダクト 代表取締役
<ご本人からのメッセージ> こんにちは。株式会社カーナープロダクトの横田雅俊です。 営業に関係者した講演や研修・セミナーを全国で行なっております。 「利益に直結させる」をモットーに、一方的な…
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