今回は僕が監督を務めている宝塚ボーイズについて書きたいと思います。
宝塚ボーイズとは、2000年に結成した中学生の硬式野球チームのことで、教え子としては楽天で活躍している田中将大などがいます。
毎年4月、この宝塚ボーイズには新入部員が入団してきます。今年は30人を越える中学1年生の新入部員が入団し、中学3年生までの合計部員数は100人を越えるチームになりました。
毎年、新入部員やそのお父さん、お母さんは色々な考えを持ってチームに入団してきます。僕は必ず、入団前に入団希望者と親御さんを含めての三者面談を行うようにしています。この面談では親御さんから色々なお話しを聞くことが出来ます。なかには、「自分の子供が凄い」と言わんばかりの親御さんもいらっしゃいますし、「3年間、レギュラーをとらなくてもいいから3年間続けて欲しい」などとお話する方もいらっしゃり、親として様々な考えを持っています。
実際に入団した部員の行動や発言をよく見ていくと、小学生の時までの野球経験やこれまで指導を受けてきたこと、家における親のしつけや育て方などが分かります。残念ながら、新入部員にはグラブやスパイクを磨いて来る選手や、元気よく挨拶ができる選手はいません。また、「はい」と答えるところを「うん」と答えてしまう選手が多く、毎日、素振りやランニングをする選手もいません。
しかし、そんな新入部員もチームに入団し、時間が経つにつれて変わっていきます。そして、部員の成長を感じて、親御さんも変わっていきます。
自分の子が一番かわいいのは当然だと思いますが、チームという組織のなかではそれは通用しません。なぜなら、自分中心の考えでは、周りの選手、父母など、全ての方に悪影響を及ぼす可能性があるからです。組織のなかでは、人の為に、チームの為にという犠牲心の気持ちが大切で、その気持ちが、人を助けてあげたり、時には助けてもらったりするのだと思います。チーム全員が、この気持ちを持って行動できれば、チームの組織力は必ず強くなります。新入部員の選手にはお父さん、お母さんをはじめ応援してもらっている方々に感謝の気持ちを持ってプレー、練習をして欲しいと思っています。
たとえ、小学生でいくら有名な選手だったとしても、環境が変わればレギュラーをとれる保証はありません。反対に、最初からレギュラーを諦めては、勝負の世界では生き残れません。中学生の今、結果を出せる選手がレギュラーになれるのです。自分自身でレギュラーを取るために努力をし、何が自分にとって必要なのか、何をすべきなのか、自分自身で分析をしたり、アドバイスをもらったり、「継続は力なり」と、続けて行動をしていくことが大切になります。
どんな環境でも強い人間は必ず結果を出します。それは、自分に何が必要なのかをわかっているからです。新入部員には、今、自分の置かれている状況を考えて、行動して欲しいと思います。また、お父さん、お母さんも、子供が自主的に成長していく為にはどうしていくべきなのか、考えて頂きたいと思っています。
新入部員が半年後、1年後にどう成長するのか楽しみです。
奥村幸治おくむらこうじ
ベースボールスピリッツ代表
イチロー選手が210安打を達成した時に、イチロー選手の専属打撃投手を務めていたことから“イチローの恋人”としてマスコミに紹介され、以来コメントを依頼されてのテレビ出演多数 。 1999年に中学硬式野…
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